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【相続放棄】【判例・裁判例】民法921条3号にいう相続財産と相続債務

  Xは、昭和49年7月ころ、Aとの間で、A所有土地を360万円で買い受ける契約をし、代金を支払いしました。そして、Aが司法書士であったことから、XはAに所有権移転登記手続を依頼しましたが、Aは手続をしないまま昭和52年1月25日に土地をBに売却し、同年9月16日に死亡しました。 Aの相続人であるY1~Y3は、同年12月16日に家庭裁判所に限定承認の申述をしましたが、甲のXに対する債...

【不当解雇・雇止め・退職勧奨】【判例・裁判例】有罪判決から約27年経過した公務員の失職扱いの有効性

  Xは、郵政事務官として採用され、A郵便局に勤務して郵便集配業務に従事していました。ところが、採用になる約8か月前の学生時代にベトナム反戦行動に参加し、その際犯した公務執行妨害罪により、採用から約7か月後の昭和48年12月7日に懲役4月、執行猶予2年間の有罪判決を受け、同判決は確定しました。 Xは、有罪判決を受けた事実を隠してその後も勤務を継続していたところ、任命権者であるA郵便局...

【遺留分】【判例・裁判例】財産全部を相続させる遺言がある場合の遺留分侵害額算定における相続債務額の加算の可否

  Aは、平成15年7月、その所有する財産全部をYに相続させる旨の公正証書遺言を行い、同年11月に死亡しました。Aの法定相続人は、子であるXとYでしたが、Aの遺言に基づき、Aの死亡後、遺産全部の権利が直ちにYに承継されました。 平成16年4月、XはYに対して遺留分減殺請求権を行使する旨の意思表示をしました。 他方、Yは、平成16年5月、Aの遺産である不動産について相続を原因とするA...

【遺言】【判例・裁判例】遺言の撤回と復活

  XらとYは、平成3年11月15日に死亡したAの子です。 Aは、遺産の大半をYに取得させる甲遺言をした後、乙遺言をもって甲遺言を撤回し、更に、乙遺言を無効とし甲遺言を有効とする旨の丙遺言をしました。そして、Yは、甲遺言に基づいて、Aの遺産である不動産について所有権移転登記手続を行いました。 そのため、Xらは、甲遺言は乙遺言によって撤回され失効したと主張し、Yに対して、甲遺言の無効...

【交通事故】【判例・裁判例】交通事故と医療事故の競合

  自転車に乗っていたA(6歳の男児)が、交差点内でZの運転するタクシーと接触する交通事故に遭い、転倒し頭部などを負傷しました。 Aは事故後直ちに救急車でY病院に搬送されましたが、Y病院の医師Bは、Aの訴え内容や、Aの意識が清明であったことなどから、歩行中の軽微な事故であると考え、さらにレントゲン写真で頭がい骨骨折を発見できなかったことから、CT検査をしたり、病院内で経過観察をするこ...

【交通事故】【判例・裁判例】死亡した幼児の財産上の損害賠償額の算定と将来得べかりし収入額から養育費を控除することの可否

  10才の女児Aがタクシー会社であるY1社のタクシーにはねられるという交通事故に遭い、死亡してしまいました。そのため、Aの両親であるX1、X2が、Y1社、運転者Y2、Y1社の代理監督者Y3、Y4に対して損害賠償を求める裁判を起こしました。 その裁判の中で、死亡した幼児の財産上の損害賠償額を算定するにあたり、将来得べかりし収入額から養育費を控除することができるかが問題になりました。 ...

【相続放棄】【判例・裁判例】相続放棄の熟慮期間の起算点2

  Aは平成18年6月に死亡したところ、Aの相続人には妻B、子X、Cがいました。 Xは、昭和52年に結婚するまでA、B及びCと同居して生活していましたが、その後Aらと別居して生活するようになり、Aと会うのは盆や正月等年に数度にすぎませんでした。 CとXの間にでは、CがAのいわゆる跡取りの立場にあり、CがAの遺産を引き継ぎ、Xはこれを取得しないとの点において認識を共通にしており、相続...

【労働問題】【判例・裁判例】会社の安全配慮義務

  Y社の見習い従業員であるAは、宿直勤務中、以前より面識はあるものの、その素行の悪さから警戒していた元従業員Bに、意に反して社屋内に立ち入られてしまいました。Aは、Bに対して退去を促しましたが、Bはそれに応じませんでした。そして、Aは、Bから威圧的態度に出られたため、「Bが来ると商品が紛失する。」などと言って反抗したところ、もともと窃盗の意図をもって訪れていたBに首を絞められたうえバ...

【遺留分】【判例・裁判例】遺留分権利者からの不動産持分移転登記手続請求訴訟において受遺者が裁判所が定めた価額による価額弁償の意思表示をした場合における判決主文

  Aには、Y、B、Xの3人の相続人がいましたが、Aは、自筆証書遺言により全財産をYに遺贈する旨の遺言をした後死亡しました。 そして、Yは、Aの遺産である不動産について、上記遺言に基づき、Yに対する所有権移転登記をしました。Xは、Yに対し、遺留分減殺請求権を行使する旨の意思表示をし、上記不動産緒持分について所有権移転登記手続等を求める裁判を起こしました。 その裁判の中で、Yは、控訴...

【交通事故】【判例・裁判例】主婦の傷害事故の場合の家事労働の逸失利益

  主婦であるXが自転車で道路を走っていたところ、自動車を運転していたYは、Xを追い越そうとして自動車の一部をXに接触させる交通事故を起こし、Xに入通院を要する傷害を負わせました。 そのため、XがYに対して損害賠償を求める裁判を起こしたところ、主婦であるXの家事労働について財産的損害が認められるかが問題になりました。 これについて、裁判所は、妻の家事労働が、財産上の利益を生ずる...