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後期高齢者医療給付により代位取得した不法行為に基づく損害賠償請求権に係る債務についての遅延損害金の起算日

交通事故の判例 最高裁判所第二小法廷 令和元年9月6日判決 事案の概要 Aは、平成22年8月25日、交差点において歩行中、Y運転の普通乗用自動車に衝突されて傷害を負いました。この事故における過失割合は、Aが5%、Yが95%でした。 Aは、上記傷害に関して後期高齢者医療給付(以下「本件医療給付」といいます。)を受け、その価額の合計は302万8735円でした。 後期高齢者医療広域連合は、...

自動車共済契約の普通共済約款一般条項5条2項に規定する被共済自動車の譲渡の意義

交通事故の判例 最高裁判所第一小法廷 平成9年9月4日判決 事案の概要 Xは、平成2年3月12日、Y組合との間で、Xの所有する自動車(以下「本件被共済自動車」といいます。)について、Y組合の普通共済約款(以下「本件約款」といいます。)所定の内容により、被共済者を娘のAとする本件共済契約を締結しました。 本件約款一般条項5条1項は、被共済自動車が譲渡された場合であっても、Y組合が承認した...

逸失利益は定期金による賠償の対象となるか

交通事故の判例 最高裁判所第一小法廷 令和2年7月9日判決 事案の概要 X(当時4歳)は、平成19年2月3日、道路を横断していたところ、Yが運転する大型貨物自動車に衝突される交通事故(以下「本件事故」といいます。)に遭いました。 Xは、本件事故により脳挫傷、びまん性軸索損傷等の傷害を負い、その後、高次脳機能障害の後遺障害(以下「本件後遺障害」といいます。)が残りました。本件後遺障害は、...

自己所有の自動車に同乗した所有者の他人性

交通事故の判例 最高裁判所第二小法廷 昭和57年11月26日判決 事案の概要 Aは、自己所有の本件自動車に友人数名を乗せてスナックに行き、同店で友人らと飲酒したのち、同店を出ました。 Aは、本件自動車により最寄駅まで他の者を送ってから帰宅するつもりでいたところ、友人達を自分の下宿に連れて行き飲み直すつもりになっていたY1から自分に本件自動車をまかせ運転させて欲しいと求められて渋々これを...

担保として自動車を預かった者の運行供用者責任

交通事故の判例 最高裁判所第二小法廷 昭和43年10月18日判決 事案の概要 Aは、Yに対する借金の担保として保有する自動車を差し入れました。 Yは当該自動車を保管していましたが、当該自動車はエンジンキーなしで運転できる構造であるのに当該自動車にガソリンを入れたままドアに施錠することもなく屋外に放置しており、Yの従業員が当該自動車を運転することがしばしばありました。 しかし、Yはこれ...

共同不法行為における過失相殺と損害の一部填補が他の共同不法行為者に及ぼす影響

交通事故の判例 最高裁判所第三小法廷 平成11年1月29日判決 事案の概要 Y1が運転するY2所有の普通乗用自動車が第一車線から第二車線に進路変更しようとしたため、第二車線を進行していたA運転の普通乗用自動車(A車)はそれを避けようとして中央線を越えて対向車線に進入し、対向車線を走行してきた普通乗用自動車と正面衝突する交通事故を起こしました。 この事故で、A車に同乗していたBは死亡...

【交通事故】【判例・裁判例】自賠法16条1項に基づく請求と自賠責支払基準の拘束力

  平成15年10月10日午後5時29分ころ、Aの運転する自動車(以下「本件車両」といいます。)が、道路を横断中のBに衝突する事故(以下「本件事故」といいます。)が発生し、Bは本件事故により死亡してしまいました。 Aは、Y社との間で、本件車両を被保険自動車とする自動車損害賠償責任保険契約を締結していました。 Bの相続人であるXは、Y社から、本件事故による損害賠償の支払として、合計1...

【交通事故】【判例・裁判例】共同暴走行為における被害者側の過失

  AとBは中学校時代の先輩と後輩の関係であり、平成13年8月13日午後9時ころから、友人ら約20名と共に、自動二輪車3台、乗用車数台に分乗して、集合、離散しながら、空吹かし、蛇行運転、低速走行等の暴走行為を繰り返しました。Bは、ヘルメットを着用せずに、消音器を改造した自動二輪車にAと二人乗りし、交代で運転をしながら走行していました。 O県警察K警察署のCらは、付近の住民から暴走族が...

【交通事故】【判例・裁判例】自賠法72条1項によりてん補すべき損害額と労災保険法に基づく年金額の控除

  Xは、平成15年11月1日、通勤のために普通乗用自動車を運転中、信号を無視して進行してきた自動車に衝突され、同自動車は、そのまま走り去り行方不明となってしまいました。 Xは、同衝突事故により、頸椎骨折、頸髄損傷、脊髄損傷、外傷性くも膜下出血等の傷害を負い、平成16年12月1日、第7頸髄節残存・以下完全四肢麻痺、膀胱直腸障害、脊柱変形障害等の後遺障害を残して症状固定しました(当時6...

【交通事故】【判例・裁判例】交通事故により被害者に身体傷害及び車両損傷を理由とする損害が生じた場合における消滅時効の起算点

  平成27年2月26日、Xが所有し運転する大型自動二輪車とYが運転する普通乗用自動車が交差点において衝突する事故が発生しました。 Xは、本件事故により頸椎捻挫等の傷害を負い、通院による治療を受け、平成27年8月25日に症状固定の診断がされました。また、Xが運転していた二輪車には、本件事故により損傷が生じました。 Xは、平成30年8月14日、Yに対し、本件事故による損害(身体傷害及...