動物が原因で発生したバイク事故
交通事故の判例
最高裁判所第一小法廷 昭和56年11月5日判決
事案の概要
Yは、自宅敷地内に鉄製の檻を設け、シェパード犬(体長約1メートル、体重約15キログラム)をその中で飼っていましたが、同犬を散歩に連れていこうとして檻から出したところ、犬は同家東側の県道に飛び出していき、県道を歩行中のAに対し道路中央部付近において吠えかかり同人と約2.6メートルの距離にまで接近しました。
同県道は幅員5.25メートルのアスファルト舗装で平担であり、車歩道の区別はなく、路上の見とおしは良好でした。
Xは、原動付自転車を運転して時速約40キロメートルで進行中、前方約41.6メートルの地点で犬を発見し、犬が前記の如くAに吠えかかっているのを見ながら約16メートルの距離に至って時速30キロメートル程度に減じ道路中央部付近にいた犬のすぐ後方を通り抜けようとしたところ、犬は突然後方へ向きを変えて進もうとしました。Xは危険を感じ制動をかけましたが間に合わず、原動機付自転車の前輪部が犬と接触して路上に転倒し、左鎖骨及び左踵骨骨折の傷害を負ってしまいました。
争点
飼主に犬の保管上の過失があるか
裁判所の判断の要旨
飼主が散歩に連れて行こうとして檻から出した畜犬が公道に飛び出し、進行中の原動機付自転車に接触して転倒させ、運転者を負傷させるなどの事情があるときは、飼主に畜犬保管上の過失がある。
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