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【遺留分】【判例・裁判例】遺留分と持戻し免除の意思表示

  Aは、平成17年12月23日に死亡しました。 Aの法定相続人は、Aと先妻との間の子であるXら3名と、妻Y1、AとY1との間の子Y2、Y3の6名でした。また、Aの遺産は、現金3020万円並びに株式及び宝飾品でした。 Aは、平成16年10月から平成17年12月にかけて、Y2に対し、生計の資本として、株式、現金、預貯金等の贈与をするとともに、Aの相続開始時において上記贈与に係る財産の...

【遺留分】【判例・裁判例】相続債務がある場合の遺留分侵害額の算定方法

  Aには推定相続人として先妻の子Yとその夫B(Aの養子)、後妻X1、AとX1の間の子X2・X3がいました。Aは生前、全ての財産をYへ包括遺贈する旨の遺言を残していました。 Aの死後、Yは、Aの遺産の一部を自己名義に登記しました。これに対し、XらはYに対して遺留分減殺の意思表示をしました。その後、YはAの遺産の一部をXらの許可を得ずに売却し、その旨の所有権移転登記をしました。 その...

【遺留分】【判例・裁判例】遺留分減殺の対象とされた贈与等の目的である各個の財産について価額弁償をすることの可否

  Aは多数の不動産、上場株式、Aの書籍出版、販売事業を法人化して設立されたB社株ほか、多数の美術品を所有していましたが、遺言公正証書により、所有する財産全部を二男Yに包括遺贈した後、死亡しました。 Aの他の相続人X1~X3は各8分の1の遺留分を有するとして、Yに対し、遺留分減殺請求権を行使しました。そして、X1~X3は、Yに対して、不動産、株式について現物分割による共有分割等を求め...

【遺留分】【判例・裁判例】遺留分減殺の目的物についての取得時効の援用と減殺請求による遺留分権利者への目的物についての権利の帰属

  X1~X9とY1は、いずれもAの子で、Y2はY1とその妻Bの子です。 Aは、11件の不動産を所有していましたが、うち10件を昭和51年11月と昭和52年1月にY1、Y2、Bに贈与し、残りの1件をY1に相続させる旨の遺言をしました。上記生前贈与の当時、Aには他にみるべき財産がなく、かつ将来的に新たに財産が増加する可能性のないことを各贈与の当事者は知っていました。Bは、昭和55年10...

【遺留分】【判例・裁判例】財産全部を相続させる遺言がある場合の遺留分侵害額算定における相続債務額の加算の可否

  Aは、平成15年7月、その所有する財産全部をYに相続させる旨の公正証書遺言を行い、同年11月に死亡しました。Aの法定相続人は、子であるXとYでしたが、Aの遺言に基づき、Aの死亡後、遺産全部の権利が直ちにYに承継されました。 平成16年4月、XはYに対して遺留分減殺請求権を行使する旨の意思表示をしました。 他方、Yは、平成16年5月、Aの遺産である不動産について相続を原因とするA...

【遺留分】【判例・裁判例】遺留分権利者からの不動産持分移転登記手続請求訴訟において受遺者が裁判所が定めた価額による価額弁償の意思表示をした場合における判決主文

  Aには、Y、B、Xの3人の相続人がいましたが、Aは、自筆証書遺言により全財産をYに遺贈する旨の遺言をした後死亡しました。 そして、Yは、Aの遺産である不動産について、上記遺言に基づき、Yに対する所有権移転登記をしました。Xは、Yに対し、遺留分減殺請求権を行使する旨の意思表示をし、上記不動産緒持分について所有権移転登記手続等を求める裁判を起こしました。 その裁判の中で、Yは、控訴...

【遺留分】【判例・裁判例】遺留分減殺請求を受けた受遺者による弁償すべき額の確定を求める訴えの確認の利益

  X、Y1、Y2は、平成16年12月に死亡した被相続人Aの子です。 Aは、平成10年12月に遺産分割の方法を指定する公正証書遺言を作成し、Xはその遺言に基づきAの遺産の一部を相続により取得しました。そのため、Yらは、平成17年12月ころ、Xに対し、遺留分減殺の意思表示をしました。 これに対し、Xは、Yらに対して、遺言による遺産分割方法の指定がYらの遺留分を侵害するものである場合は...

【遺留分】【判例・裁判例】価額弁償請求権における遅延損害金の起算日

  Aには相続人として、Xら、Yら等がいました。 Aは、生前、公正証書により、Aの遺産をY等にそれぞれ相続させる旨の遺言をしていました。 Xらは、Yら等に対して遺留分減殺請求権を行使し、Yら等がAから前記公正証書遺言により取得した遺産につき、それぞれその20分の1に相当する部分を返還するように求めました。 その後、Xらは、Yらに対して遺留分減殺を原因とする不動産の持分移転登記手続...

【遺留分】【判例・裁判例】民法1041条の規定により受遺者が遺贈の目的の返還義務を免れるためにすべき価額弁償の意義

  Xは、Aの唯一人の相続人でした。しかし、Aが公正証書遺言により、その唯一の財産ともいうベき建物を自己の甥にあたるYに遺贈して死亡してしましました。 そして、Yにおいて同建物につき遺贈による所有権移転登記をしました。 そのため、Xは、Aのした遺言が無効であるとして遺言の無効確認及び所有権移転登記の抹消登記手続を求めるとともに、もし遺言が有効であるとすれば、遺留分減殺請求権を行使す...

【遺留分】【判例・裁判例】遺留分減殺請求を受けるよりも前に遺贈の目的を譲渡した受遺者が遺留分権利者に対してすべき価額弁償の額の算定

  Aには相続人としてXら及びYがいました。 Aは死亡時において土地についての借地権の2分の1の割合による持分を有していたところ、Yは、Aから当該借地権持分の遺贈を受け、B社に対し、これを自身の有する残りの2分の1の割合による持分と共に当時における客観的に相当な額である約2億8000万円で売却しました。 Xらは、その後、Yに対する遺贈の事実を知り、Yに対し、同遺贈につき遺留分減殺請...