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【相続】【判例・裁判例】具体的相続分確認の訴えの適否

  Aは、平成4年に死亡し、子であるX、Yが各2分の1の割合でAを相続しました。 Yは、Xを相手方として遺産分割を申し立て、平成7年に遺産分割審判がされました。その審判では、AからX、Yへの特別受益を認定した上でX、Yの具体的相続分を算出し、遺産である不動産をX、Yに一部ずつ取得させ、その具体的取得分を算出して、2億2312万円の清算金支払いをXに命じました。Xはその審判に不服を申し...

【交通事故】【判例・裁判例】将来得べかりし利益を事故当時の現在価額に換算するための中間利息控除の方法とライプニッツ式計算法

  10才の女児Aがタクシー会社であるY1社のタクシーにはねられるとう交通事故に遭い、死亡してしまいました。そのため、Aの両親であるX1、X2が、Y1社、運転者Y2、Y1社の代理監督者Y3、Y4に対して損害賠償を求める裁判を起こしました。 その裁判の中で、被害者の将来得べかりし利益を事故当時の現在価額に換算するための中間利息控除の方法としてライプニッツ式計算法の合理性が問題になりまし...

【遺言】【判例・裁判例】遺言者の生前の遺言無効確認の訴えの適否2

  XはY1の養子であり、Y1の唯一の推定相続人でした。Y1は、昭和63年ころより認知症の症状があらわれていたところ、平成元年12月に、自己が所有する不動産の持分をY1の甥Y2に遺贈するという内容の公正証書遺言をしました。 その後、Y1は、平成2年に認知症と診断され、平成5年には禁治産宣告(現行法の後見開始決定に相当)を受け、改善の見込みがありませんでした。 このような状況で、Xが...

【労災・過労死・過労自死】【判例・裁判例】労災保険法による療養補償給付を受ける労働者につき使用者が労基法81条所定の打切補償の支払をすることにより同法19条1項ただし書の適用を受けることの可否

  Xは、平成9年4月にYとの間で労働契約を締結してYにおいて勤務していましたが、平成14年3月ころから肩凝り等の症状を訴えるようになり、平成15年3月、頸肩腕症候群にり患しているとの診断を受けました。Xは、平成15年4月以降、頸肩腕症候群が原因で欠勤を繰り返し、平成18年1月から長期にわたり欠勤するようになりました。 平成19年11月、中央労働基準監督署長は、平成15年3月の時点で...

【遺言】【判例・裁判例】遺言無効確認の訴えの適否

  Aには、相続人として、妻B、亡長男の子X1、X2、Y1、子Y2~Y5がいました。 Aは、自筆証書遺言を残して死亡したところ、その遺言の内容は、土地、家屋等の財産を特定の相続人のみに与えるというものでしたが、それが誰であるのか明記されていませんでした。 その後、Bが死亡しましたが、相続人の間で遺言の有効性が争点になったので、XらがYらに対して遺言無効確認の訴えを起こしたところ、遺...

【交通事故】【判例・裁判例】女子の事故死と妻として家事に専念する期間における財産上の損害

  Y1社の被用者であるAは、事業用大型貨物自動車を運転中、7歳の女子であるBに接触する交通事故を起こし、そのためBが頭蓋骨骨折の傷害を受けて死亡してしまいました。 そのため、Bの両親であるX1、X2がY1社及びY1社の代表取締役であるY2に対して損害賠償を求める裁判を起こしたところ、事故死した女子が将来妻として家事に専念するであろう期間中に財産上の損害が生じるといえるか、及びその損...

【遺言】【判例・裁判例】遺言者の生前の遺言無効確認の訴えの適否

  Xは身寄りがなく、Yが主宰する寺で老後を送り、Yの庇護扶養を受けることになり、数年間同居していました。そして、Xは、公正証書により、Yに対して自己が所有する家屋を遺贈しました。 しかし、XとYは不和となり、XはYのもとを去りました。そのため、XがYに対し、上記遺言が無効であることの確認を求める裁判を起こしたところ、遺言者生前の遺言無効確認の訴の適否が問題になりました。 これ...

【労災・過労死・過労自死】【判例・裁判例】過労自殺と使用者の損害賠償責任

  Xらの長男Aは、大学卒業後の平成2年4月、大手広告代理店であるY社に入社しました。 Aは、Y社のラジオ関係部署に配属されましたが、当初から、長時間にわたる残業を行うことが常況となっており、これは次第に悪化する傾向にありました。Y社においては、残業時間は従業員が自ら申告することとされていたところ、Aの申告した残業時間の月間合計の値は、三六協定で定められた上限の前後となっていましたが...

【相続】【判例・裁判例】相続人名義の取引履歴の提出義務

  Xら及びBは、Aの相続人です。 Aは、生前、Bに対して自己の財産を遺贈する公正証書遺言を残していました。また、Bは、Aの生前、Aの5つの預貯金口座のうち4口座の通帳を保管していたところ、これらの口座から多額の使途不明の出金がありました。 このような状況下で、Xらは、Aから遺贈を受けたBに対し、遺留分減殺請求権を行使して、遺産に属する不動産につき共有持分権の確認や共有持分移転登記...

【交通事故】【判例・裁判例】不法行為による損害と墓碑建設および仏壇購入の費用

  X1、X2夫妻の長女Aは、道路横断中にY1社の被用者Y2が運転するY1社所有の自動車に轢かれるという交通事故に遭い、死亡してしまいました。 そのため、X1、X2は、Y1社に対しては自賠法3条に基づき、Y2に対しては民法709条に基づき損害賠償を求める裁判を起こしたところ、墓碑建設および仏壇購入の費用が損害として認められるかが問題になりました。 これについて、裁判所は、不法行...