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封筒の封じ目にされた押印により自筆証書遺言の押印の要件を満たすか

遺言の判例 最高裁判所第二小法廷 平成6年6月24日判決 事案の概要 亡Aには相続人として後妻X、先妻との間の子Yらがいました。 また、Aは、自筆証書遺言を残していましたが、Aが残していた遺言には遺言書自体には押印がなく、遺言書を封入した封筒の封じ目に押印がなされていました。 そのため、XがYらに対し、当該遺言の無効確認を求めて裁判を起こしました。 争点 封筒の封じ目にされた...

【相続】【判例・裁判例】民法976条1項にいう遺言の趣旨の口授

  遺言者であるAは、糖尿病、慢性腎不全、高血圧症、両眼失明、難聴等の疾病に重症の腸閉塞、尿毒症等を併発して病院に入院していました。 重篤な病状がいったん回復して意識が清明になっていた時に、Aは、妻Yに対し、Yに家財や預金等を与える旨の遺言書を作成するよう指示しました。 Yは、かねてから面識のあるB弁護士に相談の上、担当医師らを証人として民法976条所定のいわゆる危急時遺言による遺...

【遺言】【判例・裁判例】 遺言者が自筆証書である遺言書の文面全体に故意に斜線を引く行為が民法1024条前段所定の「故意に遺言書を破棄したとき」に該当し遺言を撤回したものとみなされた事例

  Aは,昭和61年6月,罫線が印刷された1枚の用紙にAの遺産の大半をYに相続させるという内容の遺言の全文,日付及び氏名を自書し,氏名の末尾にAの印を押して,遺言書を作成しました。 Aは,平成14年5月に死亡し,その後,自宅に隣接するAの経営する医院内にあった麻薬保管金庫から本件遺言書及びそれが入った封筒が発見されました。これらが発見された時点で既に当該封筒の上部が切られ,本件遺言書...

【遺言】【判例・裁判例】花押と自筆証書遺言における押印の要件

  Aには子としてY1、Y2、Xがいました。 Aは、生前に遺言書を作成していましたが、その遺言書は、Aが、「家督及び財産はXを家督相続人としてa家を継承させる」という記載を含む全文、日付、氏名を自書し、その名下にいわゆる花押(文書の末尾などに書く署名の一種)を書いたものでしたが、印章による押印はありませんでした。 その後、Aは死亡しましたが、その死亡時に、本件土地を所有していました...

【遺言】【判例・裁判例】遺言の撤回と復活

  XらとYは、平成3年11月15日に死亡したAの子です。 Aは、遺産の大半をYに取得させる甲遺言をした後、乙遺言をもって甲遺言を撤回し、更に、乙遺言を無効とし甲遺言を有効とする旨の丙遺言をしました。そして、Yは、甲遺言に基づいて、Aの遺産である不動産について所有権移転登記手続を行いました。 そのため、Xらは、甲遺言は乙遺言によって撤回され失効したと主張し、Yに対して、甲遺言の無効...

【遺言】【判例・裁判例】遺言者の生前の遺言無効確認の訴えの適否2

  XはY1の養子であり、Y1の唯一の推定相続人でした。Y1は、昭和63年ころより認知症の症状があらわれていたところ、平成元年12月に、自己が所有する不動産の持分をY1の甥Y2に遺贈するという内容の公正証書遺言をしました。 その後、Y1は、平成2年に認知症と診断され、平成5年には禁治産宣告(現行法の後見開始決定に相当)を受け、改善の見込みがありませんでした。 このような状況で、Xが...

【遺言】【判例・裁判例】遺言無効確認の訴えの適否

  Aには、相続人として、妻B、亡長男の子X1、X2、Y1、子Y2~Y5がいました。 Aは、自筆証書遺言を残して死亡したところ、その遺言の内容は、土地、家屋等の財産を特定の相続人のみに与えるというものでしたが、それが誰であるのか明記されていませんでした。 その後、Bが死亡しましたが、相続人の間で遺言の有効性が争点になったので、XらがYらに対して遺言無効確認の訴えを起こしたところ、遺...

【遺言】【判例・裁判例】遺言者の生前の遺言無効確認の訴えの適否

  Xは身寄りがなく、Yが主宰する寺で老後を送り、Yの庇護扶養を受けることになり、数年間同居していました。そして、Xは、公正証書により、Yに対して自己が所有する家屋を遺贈しました。 しかし、XとYは不和となり、XはYのもとを去りました。そのため、XがYに対し、上記遺言が無効であることの確認を求める裁判を起こしたところ、遺言者生前の遺言無効確認の訴の適否が問題になりました。 これ...

【遺言】【判例・裁判例】相続人は存在しないが相続財産全部の包括受遺者が存在する場合と民法951条にいう「相続人のあることが明かでないとき」

  Aには相続人はいませんでしたが、生前、相続財産全部をBに遺贈する旨の遺言をしていました。Aの死亡後、同遺言の遺言執行者に選任されたXは、相続財産の一つである貸付信託に係る信託契約の受益証券について、その購入先であるY信託銀行に対し、約定に基づいて買取り及び買取金の支払いを請求しましたが、Y信託銀行は、Xからの請求に応じませんでした。 そのため、Xが、Y信託銀行に対し、受益証券の買...

【遺言】【判例・裁判例】民法1013条に違反してされた相続人の処分行為の効力

  Aは、公正証書遺言により自己所有の不動産全部を、法定相続人のうちAと同居していた四女X1と五女X2に遺贈し、遺言執行者をBと指定していました。 Aの死後、Bが遺言執行者への就任を承諾する前に、Aの二男であり法定相続人であるCは、遺言が存在するにもかかわらず、Aの遺産である建物についてC名義で所有権保存登記をし、Aの遺産である土地についても、X1、X2の相続放棄申述書を無断で作成す...