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【相続】【判例・裁判例】共同相続人の1人が被相続人名義の預金口座の取引経過開示請求権を単独で行使することの可否

  Xの父母A、Bは、それぞれ平成17年11月9日、平成18年5月18日に死亡しました。A、Bは、Y信用金庫に普通預金、定期預金を有していたため、Xは、Y信用金庫に対し、A名義の口座につき平成17年11月8日及び同月9日の取引経過の開示を、B名義の口座につき同日から平成18年2月15日までの取引経過の開示をそれぞれ求めたところ、Y信用金庫は他の共同相続人全員の同意がないとしてこれに応じ...

【賃金・残業代・退職金】【判例・裁判例】所定労働時間外に行った業務の準備行為に要した時間が労働時間に該当するか

  Xらは、船舶等の製造・修理等を行うY社に雇用されて造船所において就業していました。 Y社の就業規則によると、Xらの労働時間は午前8時から午後5時までで、始業に間に合うように更衣等を完了して作業場に到着し、所定の始業時刻に作業場において実作業を開始すること、終業にあたっては所定の終業時刻に実作業を終了し終業後に更衣等を行うということが定められ、さらに始終業の勤怠管理は、更衣を済ませ...

【遺言】【判例・裁判例】相続人は存在しないが相続財産全部の包括受遺者が存在する場合と民法951条にいう「相続人のあることが明かでないとき」

  Aには相続人はいませんでしたが、生前、相続財産全部をBに遺贈する旨の遺言をしていました。Aの死亡後、同遺言の遺言執行者に選任されたXは、相続財産の一つである貸付信託に係る信託契約の受益証券について、その購入先であるY信託銀行に対し、約定に基づいて買取り及び買取金の支払いを請求しましたが、Y信託銀行は、Xからの請求に応じませんでした。 そのため、Xが、Y信託銀行に対し、受益証券の買...

【交通事故】【判例・裁判例】後遺障害による逸失利益の算定に当たり交通事故後の別の原因による被害者の死亡を考慮することの許否

  Y1社の被用者Y2は、Y1社所有の自動車を運転中、カーブを曲がり切れずにセンターラインを越え、対向車線を走行してきた自動車と衝突するという交通事故を起こしました。被害車両に同乗していたAは、当該交通事故により脳挫傷、頭蓋骨骨折、肋骨及び左下腿骨骨折等の傷害を負いました。Aは、入通院による治療を受けましたが、知能低下等の後遺障害が残ってしまいました。 症状固定から6日後、Aは、海で...

【遺留分】【判例・裁判例】遺産全部の包括遺贈が減殺された場合に遺留分権利者に帰属する権利の性質

  Aには、法定相続人として妻とX・Yを含む6人の子がいました。しかし、Aは、死亡する前に、全財産をYに遺贈する旨の公正証書遺言を作成していました。Yは、当該遺言に基づいて、遺産である不動産について所有権移転登記を得ました。 Xは、Yに対して、遺留分減殺請求権行使の意思表示をしましたが、Yは、その後、Aの遺産のうちの農地1筆をBに譲渡して所有権移転登記を経ました。 そのため、XがY...

【不当解雇・雇止め・退職勧奨】【判例・裁判例】普通解雇が不当解雇と判断された事例2

  Xは、昭和48年からY社で客室乗務員として18年以上勤務していました。ところが、タクシーで勤務に向かう途中の追突事故によるむち打ち症で労災認定を受け、約4年間休職することになりました。Xは、復職後に復帰者訓練として定期緊急総合訓練を受けましたが、模擬演習で3回とも不合格と判定されました。その間、Y社はXに仕事を与えず、30数回の面談を行い、時には大声を出したり、机をたたいたりして退...

【遺留分】【判例・裁判例】民法903条1項の定める相続人に対する贈与と遺留分減殺の対象

  Aは、長男Y1、Y1の妻Y2、Y1の子Y3、Y4に対して、昭和53年10月16日と昭和54年1月16日の2回に分けて自己所有の土地を生前贈与しました。その後、Aは昭和62年8月20日に死亡しましたが、Aの相続人としては、妻であるX1、長女であるX2、長男であるY1がいました。 X1、X2は、AによるY1~Y4に対する生前贈与がX1、X2の遺留分を侵害するとして、Y1~Y4に対して...

【交通事故】【判例・裁判例】被用者の無断私用運転の同乗者につき使用者の運行供用者責任を否定した事例

  自動車販売業者であるY社の従業員であるAは、Y社所有の自動車を私用に使うことを厳重に禁止されていたにもかかわらず、勝手に持ち出して夜桜見物に出かけようとしました。その際、Aの母からY社所有の自動車は私用に使うことを禁止されているのであるから夜桜見物に出かけることをやめるように戒められ、一旦は思いとどまりました。しかし、その場に居合わせたB、C、Dは、Y社がその所有自動車を私用に使う...

【遺留分】【判例・裁判例】遺留分減殺請求権を債権者代位権の目的とすることの可否

  Aは不動産を残して死亡しました。Aの遺産である不動産につき、Aの相続人の1人であるBに対して貸金債権を有するYが、Bに代位してその法定相続分(10分の1)に従った共同相続登記を経由した上、Bの持分に対する強制執行を申し立ててこれを差し押えました。ところが、Aは、当該不動産を相続人の1人であるXに単独で相続させる旨の公正証書遺言をしていました。 そのため、Xが、この遺言によってAの...

【パワハラ・セクハラ】【判例・裁判例】肉体関係を迫ったり性的な虚偽の風評を流布したりする行為が違法と判断されたセクハラ事例

  Y1社の専務取締役営業部長であったY3は、平成11年3月ころから、岡山支店長を務めていたX1に対し、異性関係を問いただしたり、後継者の地位をちらつかせ、肉体関係を迫る等していました。また高松支店長と徳島支店長を兼務し、X1と親しくし、Y3の行為に関する相談を受ける等していたX2に対しては、Y3は、X1と肉体関係を持てるよう協力するよう要請していました。しかし、X1、2ともにこれを拒...