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【遺言】【判例・裁判例】負担付死因贈与の負担履行後の撤回の可否

  Aは、その長男であるXとの間で、Xが在職中、Aに毎月3000円以上、年2回のボーナス月にはボーナスの半額を贈与するものとし、Xがこれを履行した場合は、Aは遺産全部をAの死亡時にXに贈与する旨の負担付死因贈与契約を締結しました。 ところが、Aは、同死因贈与契約締結後に、財産を二男Y1及び三女Y2に遺贈し、弁護士Y3を遺言執行者とする旨の自筆証書遺言をしました。 他方、Xは、退職す...

【交通事故】【判例・裁判例】国道に駐車中の故障車を放置した場合の道路管理の瑕疵

  Aは、Y1県知事が管理責任を負い、Y1県がその費用を負担する国道を、原動機付自転車を運転して走行中、幅員7.5メートルの同国道のほぼ中央線よりに駐車中の大型貨物自動車の後部に激突するという交通事故を起こし、即死してしまいました。駐車していた大型貨物自動車は、Y2が運転中に事故を起こし、故障したため、事故現場に事故まで87時間放置していたものでした。 Aの両親Xらは、Y2とY2の使...

【遺留分】【判例・裁判例】死因贈与と生前贈与及び遺贈との遺留分減殺の順序

  Aが死亡し、相続人としては、長男Y1、長女Y2、二女X1、三女X2、孫Dらがいました。また、Aの相続財産としては、甲建物とその敷地である甲土地(時価約6700万円)、乙建物とその敷地である乙土地の借地権(時価約2400万円)、預貯金約900万円がありました。 Aは、乙土地建物につき、Y2との間で死因贈与契約を締結し、司法書士に依頼してY2のために仮登記をしていました。また、Y2と...

【労災・過労死・過労自死】【判例・裁判例】脳出血及びくも膜下出血による死亡に公務起因性が認められないとされた事例

  Aは裁判所事務官(廷吏)で国家公務員としての身分を有していました。Aは10数年来高血圧に悩んできたところ、公判立会中に倒れ、翌日に脳出血・くも膜下出血により死亡してしまいました。 そのため、Aの妻Xは、国を相手に、Aは勤務中の過労と疲れのため死亡したものであるとして、国家公務員災害補償法15条に基づき遺族補償の請求をしたところ、高血圧症の基礎疾病を有する裁判所の廷吏の公判立会中の...

【相続放棄】【判例・裁判例】相続放棄と錯誤無効2

  Aは昭和29年2月20日に死亡しましたが、相続人としては、妻Y1、子X、子Y2~Y7らがいました。 Y2~Y6は、昭和29年6月2日に相続放棄の申述をし、Y7もXからお金を支払ってもらい相続放棄することになっていましたが、その支払いがなされなかったため、相続放棄が受理される前に申述を取り下げました。 そのため、XがY2~Y7に対し、Y2~Y6はY7が相続放棄の申述を取り下げるこ...

【交通事故】【判例・裁判例】工事中の赤色灯が倒されていた場合の道路管理の瑕疵

  Aは、Bの運転する自動車の助手席に同乗して県道を進行中、Y県がCに掘穿工事を請け負わせている地帯を通りました。その地帯では、工事個所を表示する標識として、Y県により工事現場の南北約2メートルの各地点にそれぞれ工事標識版と黒黄まだらのバリケードが1つずつ設置され、バリケード間の道路の中央線付近に赤色灯標柱が1つずつ設置されていましたが、事故直前に同所を通行した自動車によって工事現場の...

【パワハラ・セクハラ】【判例・裁判例】千枚通しで労働者の着用する制服の襟に穴を開け襟章を着けた行為が違法と判断されたパワハラ事例

  Xは、国鉄職員として九州の電気技術センターで電気技術係の職務に従事していました。 同技術センターでは、上衣省略期間の開けた昭和60年10月1日から、始業時の点呼の際等に、管理者が職員に対して、上衣に襟章を着用するよう指導を始めましたが、誰も指示に従いませんでした。 同月25日午前8時50分、Y1、Y2等の管理職立会の下に、同技術センターの助役らによって職員の点呼が開始され、指定...

【交通事故】【判例・裁判例】落石事故の場合の道路管理の瑕疵

  本件国道の山間部の区間は、道路の山側は切り立った崖になっていて、頁岩の長年の自然風化のために、しばしば落石、崩土が見られる状態でした。 昭和38年6月13日、本件国道の山側の上方、道路からの斜距離約77メートルの箇所が、幅約10メートル、高さ約2メートルにわたって崩壊し、相当量の土砂とともに大小20個くらいの岩右が落下しました。Aは、Bを助手席に乗せて、たまたまそこを進行していま...

【労災・過労死・過労自死】【判例・裁判例】くも膜下出血と業務との間の相当因果関係が認められた事例

  Aは、鉄道を専門とする電気工事業を営むB社に入社しました。Aは、工事に関する受注、監督、専属下請業者の調整・決定等に従事していましたが、Aが従事していた業務には昼間勤務と夜間勤務があり、昼間勤務では、主に現場説明会への出席、書類提出、打ち合わせ、事故対策、現場調査、防護、運搬、電柱撤去、入札、検査、あいさつ回り等の営業活動に従事し、夜間勤務では、主に午前1時ころから午前4時ころまで...

【相続】【判例・裁判例】相続分の譲渡と農地法3条1項

  Aは、本件農地を所有していましたが、昭和46年に死亡しました。相続人5名は、各相続持分でこれを相続し、平成3年、本件農地につき相続を原因とする所有権移転登記がなされました。 その後、平成6年に、相続人のうちのAとBが、相続人のうちのXに対して、相続持分の全部を譲渡したため、X、A、Bは、共同して、本件農地について、相続分の贈与を登記原因として、登記官Yに対し、共有者A、B持分全部...