第9級の後遺障害
交通事故で受傷後、後遺症が残ってしまうことがあります。そのような場合、後遺障害の認定を受けることができれば、受け取ることのできる賠償金額が大幅に増加します。
後遺障害は、自動車損害賠償保障法施行令により第1級から第14級までの等級が定められていますが、第9級の後遺障害の詳細は以下のとおりです。
後遺症慰謝料、労働能力喪失率、自賠責保険金
後遺症慰謝料の目安 690万円
労働能力喪失率の目安 35%
自賠責保険の限度額 616万円
第9級1号 両眼の視力が0.6以下になったもの
「視力」とは、矯正視力をいい、眼鏡による矯正と医学的に装用可能なコンタクトレンズによる矯正または眼内レンズによる矯正によって得られた視力が含まれます。ただし、矯正が不能な場合は裸眼視力によります。
(目の後遺障害に関しては、目の後遺障害もご参照ください。)
第9級2号 1眼の視力が0.06以下になったもの
上記のとおり、「視力」とは、矯正視力をいい、眼鏡による矯正と医学的に装用可能なコンタクトレンズによる矯正または眼内レンズによる矯正によって得られた視力が含まれます。ただし、矯正が不能な場合は裸眼視力によります。
(目の後遺障害に関しては、目の後遺障害もご参照ください。)
第9級3号 両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
「半盲症」、「視野狭窄」、「視野変状」とは、V/4視標による8方向の視野の角度の合計が、正常視野の角度の60%以下になった場合をいいます。
「視野」とは、眼前の1点を見つめていて、同時に見える外界の広さをいいます。
「半盲症」とは、視神経繊維が、視神経交叉又はそれより後方において侵されるときに生じるものであって、注視点を境界として、両眼の視野の右半分又は左半分が欠損するものをいいます。
「視野狭窄」とは、視野周辺の狭窄をいいます。
「視野変状」には半盲症、視野の欠損、視野狭窄及び暗点(生理的視野欠損(盲点)以外の病的欠損を生じたもの)が含まれますが、半盲症及び視野狭窄については障害等級表に明示されているので、ここにいう視野変状は、視野欠損と暗点をいいます。
(目の後遺障害に関しては、目の後遺障害もご参照ください。)
第9級4号 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
「まぶたに著しい欠損を残す」とは、普通にまぶたを閉じた場合に、角膜を完全に覆い得ない程度のものをいいます。
(目の後遺障害に関しては、目の後遺障害もご参照ください。)
第9級5号 鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
「鼻を欠損し」とは、鼻軟骨の全部または大部分の欠損をいいます。
「機能に著しい障害を残す」とは、鼻呼吸困難又は嗅覚脱失をいいます。
(鼻の後遺障害に関しては、鼻の後遺障害もご参照ください。)
第9級6号 咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの
「咀嚼の機能に障害を残す」とは、固形食物の中に咀嚼ができないものがあること又は咀嚼が十分にできないものがあり、そのことが医学的に確認できる場合をいいます。
「言語の機能に障害を残す」とは、4種の語音(口唇音(ま行音、ぱ行音、ば行音、わ行音、ふ)、歯舌音(な行音、た行音、だ行音、ら行音、さ行音、しゅ、し、ざ行音、じゅ)、口蓋音(か行音、が行音、や行音、ひ、にゅ、ぎゅ、ん)、喉頭音(は行音))のうち、1種の発音不能のものをいいます。
(口の後遺障害に関しては、口の後遺障害もご参照ください。)
第9級7号 両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
両耳の平均純音聴力レベル(純音による聴力レベル)が60db以上のもの又は両耳の平均純音聴力レベルが50db以上であり、かつ最高明瞭度(語音による聴力検査結果)が70%以下のものをいいます。
(耳の後遺障害に関しては、耳の後遺障害もご参照ください。)
第9級8号 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することが出来ない程度になり、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話し声を解することが困難である程度になったもの
1耳の平均純音聴力レベル(純音による聴力レベル)が80db以上であり、かつ他耳の平均純音聴力レベルが50db以上のものをいいます。
(耳の後遺障害に関しては、耳の後遺障害もご参照ください。)
第9級9号 1耳の聴力を全く失ったもの
1耳の平均純音聴力レベルが90db以上のものをいいます。
(耳の後遺障害に関しては、耳の後遺障害もご参照ください。)
第9級10号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
通常の労務に服することはできるが、就労可能な職種が相当程度に制約されるものをいいます。
(神経系統の機能又は精神の後遺障害に関しては、神経系統の機能又は精神の後遺障害もご参照ください。)
第9級11号 胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
通常の労務に服することはできるが、就労可能な職種が相当程度に制約されるものをいいます。
(胸腹部臓器の後遺障害に関しては、胸腹部臓器の後遺障害もご参照ください。)
第9級12号 1手のおや指又はおや指以外の2の手指を失ったもの
「手指を失った」とは、おや指については、指節間関節(第1関節)以上を失ったものをいい、おや指以外の指については、近位指節間関節(第2関節)以上を失ったものをいいます。
(手指の後遺障害に関しては、手指の後遺障害もご参照ください。)
第9級13号 1手のおや指を含み2の手指の用を廃したもの又はおや指以外の3の手指の用を廃したもの
「手指の用を廃した」とは、おや指については、手指の末節骨(先端の骨)の半分以上を失い、又は中手指節関節(指の付け根の関節)若しくは指節間関節(第1関節)に著しい運動障害を残すものをいい、おや指以外の指については、手指の末節骨の半分以上を失い、又は中手指節関節若しくは近位指節間関節(第2関節)に著しい運動障害を残すものをいいます。
(手指の後遺障害に関しては、手指の後遺障害もご参照ください。)
第9級14号 1足の第1の足指を含み2以上の足指を失ったもの
「足指を失った」とは、その全部を失ったものをいい、具体的には、中足指節関節(指の付け根の関節)から失ったものをいいます。
(足指の後遺障害に関しては、足指の後遺障害もご参照ください。)
第9級15号 1足の足指の全部の用を廃したもの
足指の「用を廃した」とは、第1指については、末節骨(先端の骨)の半分以上を失ったもの又は中足指節関節(指の付け根の関節)若しくは指節間関節(第1関節)に著しい運動障害を残すものをいい、第1指以外の足指については、遠位指節間関節(第1関節)以上を失ったもの又は中足指節関節(指の付け根の関節)若しくは近位指節間関節(第2関節)に著しい運動障害を残すものをいいます。
(足指の後遺障害に関しては、足指の後遺障害もご参照ください。)
第9級16号 外貌に相当程度の醜状を残すもの
「外貌」とは、頭部、顔面部、頸部のごとく、上肢及び下肢以外の日常露出する部分をいいます。
「相当程度の醜状」とは、原則として、顔面部の長さ5センチメートル以上の線状痕で、人目につく程度以上のものをいいます。
(外貌(上肢及び下肢の醜状を含む)の後遺障害に関しては、外貌(上肢及び下肢の醜状を含む)の後遺障害もご参照ください。)
第9級17号 生殖器に著しい障害を残すもの
生殖機能は残存しているものの、通常の性交では生殖を行うことができないものをいいます。
(胸腹部臓器の後遺障害に関しては、胸腹部臓器の後遺障害もご参照ください。)
交通事故に遭い、後遺症が残ってしまった場合でも、後遺障害の認定を受けることができれば、適切な賠償金を受けることが可能です(第9級の場合、後遺症慰謝料の目安は690万円、自賠責保険の限度額は616万円です)。
交通事故後、後遺症が残ってしまった場合は、当事務所にご相談ください。当事務所では、初回相談は無料となっておりますので、安心してご相談いただけます。
なお、交通事故全般については、仙台の法律事務所による交通事故のご相談もご覧ください。