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【相続】【判例・裁判例】被相続人から抵当権の設定を受けた相続債権者が相続財産法人に対して抵当権設定登記手続を請求することの可否

  Aは、平成元年9月25日、X銀行に対する4億円の債務を担保するため、所有する不動産に極度額4億4000万円の根抵当権を設定しました。しかし、その設定登記手続がされないまま、Aは平成7年1月30日に死亡してしまいました。そのため、Xは、当該根抵当権について仮登記を命ずる仮処分命令を得て、同平成7年3月20日、平成元年9日5月2の設定を原因とする本件仮登記を完了しました。 その後、A...

【相続】【判例・裁判例】共有者の一人が相続人なくして死亡したときとその持分の帰趨

  本件土地は、もともとAの所有でしたが、Aの死亡により、Aの妻であるBとAの兄弟姉妹(代襲相続人を含む)28名、合計29名の共有となりました(Bの持分は登記簿上22680分の15120、すなわち3分の2と登記されています)。Bは昭和57年7月28日死亡し、相続人がいなかったため、X1、X2は、Bの特別縁故者として家庭裁判所へ相続財産分与の申立てをし、裁判所は、昭和61年4月28日、本...

【相続】【判例・裁判例】定額郵便貯金債権が遺産に属することの確認を求める訴えの確認の利益

  Aは平成15年3月に死亡したところ、Aの遺産には定額郵便貯金債権がありました。Aの相続人にはXら、Yらがいましたが、Yらは当該定額郵便貯金債権がAの遺産であることを争っていました。 そのため、XらがYらに対して当該定額郵便貯金債権がAの遺産に属することの確認を求める裁判を起こしたところ、定額郵便貯金債権が遺産に属することの確認を求める訴えの確認の利益の有無が問題になりました。 ...

【相続】【判例・裁判例】再転相続における特別受益の考慮

  Aは平成7年12月7日に死亡しました(第1次相続)。Aの相続人としては、配偶者B、子X、Y1、Y2がいました。 しかし、Aについての遺産分割終了前に、Bが平成10年4月10日に死亡しました(第2次相続)。Bの相続人としては子X、Y1、Y2がいました。 そのため、Xが第1次相続、第2次相続について遺産分割の審判を申し立てました。その審判の中で、Xが第1次相続についてはY1、Y2が...

【相続放棄】【判例・裁判例】民法921条3号にいう相続財産と相続債務

  Xは、昭和49年7月ころ、Aとの間で、A所有土地を360万円で買い受ける契約をし、代金を支払いしました。そして、Aが司法書士であったことから、XはAに所有権移転登記手続を依頼しましたが、Aは手続をしないまま昭和52年1月25日に土地をBに売却し、同年9月16日に死亡しました。 Aの相続人であるY1~Y3は、同年12月16日に家庭裁判所に限定承認の申述をしましたが、甲のXに対する債...

【遺留分】【判例・裁判例】財産全部を相続させる遺言がある場合の遺留分侵害額算定における相続債務額の加算の可否

  Aは、平成15年7月、その所有する財産全部をYに相続させる旨の公正証書遺言を行い、同年11月に死亡しました。Aの法定相続人は、子であるXとYでしたが、Aの遺言に基づき、Aの死亡後、遺産全部の権利が直ちにYに承継されました。 平成16年4月、XはYに対して遺留分減殺請求権を行使する旨の意思表示をしました。 他方、Yは、平成16年5月、Aの遺産である不動産について相続を原因とするA...

【遺言】【判例・裁判例】遺言の撤回と復活

  XらとYは、平成3年11月15日に死亡したAの子です。 Aは、遺産の大半をYに取得させる甲遺言をした後、乙遺言をもって甲遺言を撤回し、更に、乙遺言を無効とし甲遺言を有効とする旨の丙遺言をしました。そして、Yは、甲遺言に基づいて、Aの遺産である不動産について所有権移転登記手続を行いました。 そのため、Xらは、甲遺言は乙遺言によって撤回され失効したと主張し、Yに対して、甲遺言の無効...

【相続放棄】【判例・裁判例】相続放棄の熟慮期間の起算点2

  Aは平成18年6月に死亡したところ、Aの相続人には妻B、子X、Cがいました。 Xは、昭和52年に結婚するまでA、B及びCと同居して生活していましたが、その後Aらと別居して生活するようになり、Aと会うのは盆や正月等年に数度にすぎませんでした。 CとXの間にでは、CがAのいわゆる跡取りの立場にあり、CがAの遺産を引き継ぎ、Xはこれを取得しないとの点において認識を共通にしており、相続...

【遺留分】【判例・裁判例】遺留分権利者からの不動産持分移転登記手続請求訴訟において受遺者が裁判所が定めた価額による価額弁償の意思表示をした場合における判決主文

  Aには、Y、B、Xの3人の相続人がいましたが、Aは、自筆証書遺言により全財産をYに遺贈する旨の遺言をした後死亡しました。 そして、Yは、Aの遺産である不動産について、上記遺言に基づき、Yに対する所有権移転登記をしました。Xは、Yに対し、遺留分減殺請求権を行使する旨の意思表示をし、上記不動産緒持分について所有権移転登記手続等を求める裁判を起こしました。 その裁判の中で、Yは、控訴...

【遺留分】【判例・裁判例】遺留分減殺請求を受けた受遺者による弁償すべき額の確定を求める訴えの確認の利益

  X、Y1、Y2は、平成16年12月に死亡した被相続人Aの子です。 Aは、平成10年12月に遺産分割の方法を指定する公正証書遺言を作成し、Xはその遺言に基づきAの遺産の一部を相続により取得しました。そのため、Yらは、平成17年12月ころ、Xに対し、遺留分減殺の意思表示をしました。 これに対し、Xは、Yらに対して、遺言による遺産分割方法の指定がYらの遺留分を侵害するものである場合は...