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【交通事故】【判例・裁判例】被用者の無断私用運転の同乗者につき使用者の運行供用者責任を否定した事例

  自動車販売業者であるY社の従業員であるAは、Y社所有の自動車を私用に使うことを厳重に禁止されていたにもかかわらず、勝手に持ち出して夜桜見物に出かけようとしました。その際、Aの母からY社所有の自動車は私用に使うことを禁止されているのであるから夜桜見物に出かけることをやめるように戒められ、一旦は思いとどまりました。しかし、その場に居合わせたB、C、Dは、Y社がその所有自動車を私用に使う...

【交通事故】【判例・裁判例】加害車両が被害者に接触しない場合の相当因果関係の有無

  XがAらと幅員3メートルの市道上を歩いて帰宅途中、前方からY運転の軽二輪車が、後方からはB運転の原動機付き自転車がそれぞれ近づいて来るのに気付きました。Xは、B運転の原動機付き自転車の方を振り返りながら、Aに続いて道路端にある仮橋のたもとに避難したところ、前方からY運転の軽二輪車が運転を誤り、Xが避けようとしている仮橋上に向かって突進してきて仮橋に乗り上げた上後退して停車しました。...

【交通事故】【判例・裁判例】動物による事故2

  Xは、昭和51年4月27日、原動機付自転車を運転して、時速約40キロメートルで走行中、前方約41メートルの道路中央付近で、Yの飼育するシェパード犬(体長約1メートル、体重約15キログラム)が道路端を歩行中のAに向って吠えているのを発見しました。その犬は、Yが散歩に連れて行こうとして、自宅の檻から出したところ、県道に飛び出したものでした。 Xは、犬と約16メートルの距離に接近したと...

【交通事故】【判例・裁判例】動物による事故

  小学校2年生(7歳)であるXは、自転車に乗って同級生と遊んでいました。Xの乗っていた自転車は、Xの身体に比してやや大きすぎ、Xは操縦にも十分慣れていませんでした。 Xが遊んでいた場所の近くの家では、体長約40センチメートル、体高約20センチメートルのダックスフント系の愛玩犬を飼っていましたが、買主がYが首輪から鎖を外したところ、犬はYの手を離れて道路に走り出て、Xの運転する自転車...

【交通事故】【判例・裁判例】搭乗者傷害条項にいう「正規の乗車用構造装置のある場所」の意義

  Aは、その所有する普通乗用自動車につき、保険会社であるY社との間で、搭乗者傷害保険を含む自動車保険契約を締結していました。同保険契約中搭乗者傷害保険に関する条項は、自家用自動車保険普通保険約款中の搭乗者傷害条項に従ったもので、「被保険自動車の正規の乗車用構造装置のある場所に搭乗中の者が、被保険自動車の運行に起因する急激かつ偶然な外来の事故により身体に傷害を被り、その直接の結果として...

【交通事故】【判例・裁判例】国道に駐車中の故障車を放置した場合の道路管理の瑕疵

  Aは、Y1県知事が管理責任を負い、Y1県がその費用を負担する国道を、原動機付自転車を運転して走行中、幅員7.5メートルの同国道のほぼ中央線よりに駐車中の大型貨物自動車の後部に激突するという交通事故を起こし、即死してしまいました。駐車していた大型貨物自動車は、Y2が運転中に事故を起こし、故障したため、事故現場に事故まで87時間放置していたものでした。 Aの両親Xらは、Y2とY2の使...

【交通事故】【判例・裁判例】工事中の赤色灯が倒されていた場合の道路管理の瑕疵

  Aは、Bの運転する自動車の助手席に同乗して県道を進行中、Y県がCに掘穿工事を請け負わせている地帯を通りました。その地帯では、工事個所を表示する標識として、Y県により工事現場の南北約2メートルの各地点にそれぞれ工事標識版と黒黄まだらのバリケードが1つずつ設置され、バリケード間の道路の中央線付近に赤色灯標柱が1つずつ設置されていましたが、事故直前に同所を通行した自動車によって工事現場の...

【交通事故】【判例・裁判例】落石事故の場合の道路管理の瑕疵

  本件国道の山間部の区間は、道路の山側は切り立った崖になっていて、頁岩の長年の自然風化のために、しばしば落石、崩土が見られる状態でした。 昭和38年6月13日、本件国道の山側の上方、道路からの斜距離約77メートルの箇所が、幅約10メートル、高さ約2メートルにわたって崩壊し、相当量の土砂とともに大小20個くらいの岩右が落下しました。Aは、Bを助手席に乗せて、たまたまそこを進行していま...

【交通事故】【判例・裁判例】自動車の同乗者に対する国の安全配慮義務の有無

  陸上自衛隊員Aは、自分の隊に別の隊から派遣され、その勤務を終えた隊員を原隊に送り届けるため、トラックを運転しました。その際に、操縦の見学等のために部下であるBに同乗を命じました。 走行中、Aは、雨のために路面が濡れていたばかりでなく、道路の補修工事に際して塗布したアスファルトが路面に付着し、路面が極めて滑走しやすい状況にあったにもかかわらず、路面にアスファルトが付着していたのを看...

【交通事故】【判例・裁判例】パトカーの追跡行為の違法性

  Y県の巡査3名は、パトカーで機動警ら中、A運転の速度違反を犯している自動車を発見したため、赤色灯を点灯し、サイレンを鳴らして追跡を開始しました。A運転自動車は逃走後停止しましたが、巡査らが歩み寄ったところ、突如Uターンして時速100キロで逃走を再開しました。そのため、パトカーは、再び赤色灯をつけ、サイレンを鳴らして、追跡を再開しました。 その後、A運転自動車は、逃走中に赤信号を無...