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【交通事故】【判例・裁判例】損害賠償額の算定に当たって被害者のり患していた疾患を斟酌することの可否

  Y運転の自動車が、A運転の自動車に衝突するという交通事故が起きました。Aにはこれといった外傷はありませんでしたが、その後記憶喪失に陥り、自宅療養していましたが、外科病院に入院しました。さらに、精神症状の存在を理由に精神科医院に入院し、症状が改善しないまま死亡してしまいました。 Aは、本件事故の1か月前、車内でエンジンをかけたまま仮眠して一酸化炭素中毒にかかり、入院していましたが、...

【交通事故】【判例・裁判例】損害の拡大に被害者の心因的要因が寄与している場合の責任の範囲

  Xは、昭和44年3月、夫が運転する自動車に同乗中にYが運転する自動車に追突されるという交通事故に遭い、外傷性頭頸部症候群の傷害を負いました。Xは、医師から安静加療約50日を要すると言われて入院しましたが、その後も頭痛、頸部痛、肩部痛等多彩な症状を訴え続け、10年以上も入通院を続けました。 XがYに対して、損害賠償の裁判を起こしたところ、損害の拡大に被害者の心因的要因が寄与している...

【交通事故】【判例・裁判例】骨髄炎再発に対する事故の寄与度

  Xは、タクシー乗車中に交通事故に遭い、左大腿骨転子間粉砕骨折、左鎖骨骨折等の障害を負いました。Xは、入通院後に職場に復帰しましたが、ほどなくして左大腿部痛に骨髄炎が発症したため、再度の入院、療養を余儀なくされました。なお、Xは、9歳の時に左大腿部に骨髄炎を発症したことがあり、交通事故後に発症した骨髄炎は、9歳の時の骨髄炎が再発したものでした。 Xが損害賠償を求めて裁判をおこしたと...

【交通事故】【判例・裁判例】「自動車を当該装置の用い方に従い用いること」の意義

  Y社は、A社から、道路下に転落した貨物自動車の引揚げ作業を請け負いました。Y社の従業員Bは、クレーン車を現場道路に停止させ、エンジンを駆動してクレーンを操作し、転落した車の引揚げ作業にあたりました。A社の従業員Cが、クレーンから吊り下げられたワイヤーの先端のフックに転落した車に巻いてあったワイヤーをかけようとしてワイヤー先端のフックを引っ張ったところ、ワイヤーが現場上空に架設されて...

【交通事故】【判例・裁判例】陸送中の自動車の所有者の運行供用者責任

  大型貨物自動車等の販売を業とするY社は、製造中の自動車について車体の架装をA社に注文しました。A社は、車体の架装を完了した後、当該自動車のY社への陸送を、専属的に運送契約を結んでいたB社に注文しました。ところが、B社の被用者Cが陸送のために当該自動車を運転中、交通事故を起こし、Xに傷害を負わせてしまいました。 そのため、Xが当該自動車の所有者であるY社に対して損害賠償請求をしたと...

【交通事故】【判例・裁判例】自動車を修理のために預かった業者の運行供用者責任

  自動車修理業者Yは、Aから修理のために自動車を預かっていたところ、Yの従業員Bが、当該自動車をYに無断で運転中に交通事故を起こし、Xに傷害を負わせてしまいました。 そのため、XがYに対して損害賠償請求の裁判を起こしたところ、自動車を修理のために預かっていた自動車修理業者であるYが自動車損害賠償保障法3条の運行供用者としての責任を負うかが問題となりました。 これについて、裁判...

【交通事故】【判例・裁判例】所有権留保の場合の運行供用者責任

  Yは所有権留保付きで代金月賦払いでAに自動車を売り渡したところ、Aは代金完済前に当該自動車をBに転売しました。CがBを乗せて当該自動車を運転していたところ、Dをはねて死亡させてしまいました。 Dの親であるXは、Yが当該自動車の所有名義人であることから、Yに対して損害賠償請求の裁判を起こしたところ、所有権留保付きで自動車を売り渡した売主が自動車損害賠償保障法3条の運行供用者にあたる...

【交通事故】【判例・裁判例】返還約束が守られない場合の自動車所有者の運行供用者責任

  Yは、友人であるAに対し、2時間後に返すという約束で自己所有の自動車を貸しました。しかし、Aは約束に反して自動車を返さず、Yによる返還請求に応じずに約1か月にわたって自動車の使用を継続しました。そして、当該自動車を運転中に対向車と衝突するという交通事故を起こし、Bを死亡させてしまいました。そのため、Bの遺族であるXらがAに対してのみならずYに対しても損害賠償請求の裁判を起こしたとこ...

【交通事故】【判例・裁判例】元請業者の運行供用者責任

  貨物運送を業とする元請運送会社Y1は、下請運送会社Y2所有の大型貨物自動車を運転手つきで借り上げ、貨物運送にあたらせていたところ、当該自動車が運送途中で交通事故を起こし、被害者が死亡してしまいました。そのため、被害者の遺族がY1、Y2に対して損害賠償請求訴訟を起こしたところ、Y1が自動車損害賠償保障法3条の運行供用者責任を負うかが問題になりました。 これについて、裁判所は、下...

【交通事故】【判例・裁判例】泥棒運転の場合の所有者の運行供用者責任

  タクシー会社Y社は、自社の敷地内の車庫に、ドアに鍵をかけず、エンジンキーを差し込んだままの自動車を駐車させていたところ、Aが同自動車を盗み出し、勝手にタクシーの営業をして交通事故(自損事故)を起こし、客として乗っていたXに傷害を負わせました。そのため、Xは、Y社に対して、第1次的には自動車損害賠償保障法3条の運行供用者責任に基づいて、第2次的には不法行為責任に基づいて損害賠償請求訴...