【交通事故】【判例・裁判例】骨髄炎再発に対する事故の寄与度
Xは、タクシー乗車中に交通事故に遭い、左大腿骨転子間粉砕骨折、左鎖骨骨折等の障害を負いました。Xは、入通院後に職場に復帰しましたが、ほどなくして左大腿部痛に骨髄炎が発症したため、再度の入院、療養を余儀なくされました。なお、Xは、9歳の時に左大腿部に骨髄炎を発症したことがあり、交通事故後に発症した骨髄炎は、9歳の時の骨髄炎が再発したものでした。
Xが損害賠償を求めて裁判をおこしたところ、骨髄炎再発についての損害賠償請求がどの範囲で認められるかが問題になりました。
これについて、裁判所は、交通事故による骨折等の外傷のため長期にわたり臥床したことが誘因となって、被害者(37歳)が少年期(9歳)に患った骨髄炎を再発したと認められる場合、受傷の部位、程度、骨髄炎再発の状況、経過からみれば、右骨髄炎再発に対する事故の寄与度を50%を認め、その限度で賠償責任を負担させるのが相当である旨判断しました。
(東京高等裁判所昭和50年3月31日判決)
交通事故に関して、骨髄炎再発に対する事故の寄与度についての東京高等裁判所の裁判例を紹介させていただきました。
なお、交通事故については、仙台の弁護士による交通事故のご相談もご覧ください。