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【交通事故】【判例・裁判例】損害賠償額の算定にあたって被害者の身体的特徴を斟酌することの可否

 
Xは自動車を運転中、Yが運転する自動車に追突されるという交通事故に遭い、運転席のシートに頭部を強く打ちつけ、頚椎捻挫、頭頚部外傷症候群による視力低下などの傷害を負いました。
Xは、平均的体格に比して首が長く、これに伴う多少の頚椎不安定症があるという身体的特徴を有していましたが、この身体的特徴に交通事故による衝撃が加わってXの上記傷害が発生したか、または、上記傷害について症状を悪化させました。
このような状況下で、XがYらに対して損害賠償の裁判を起こしたところ、損害賠償額の算定にあたって被害者の身体的特徴を斟酌することの可否が問題になりました。

これについて、裁判所は、不法行為により傷害を被った被害者が平均的な体格ないし通常の体質と異なる身体的特徴を有していたとしても、それが疾患に当たらない場合には、特段の事情の存しない限り、被害者の右身体的特徴を損害賠償の額を定めるに当たり斟酌することはできないと解すべきである旨判断しました。

(最高裁判所平成8年10月29日第三小法廷判決)

交通事故に関して、損害賠償額の算定にあたって被害者の身体的特徴を斟酌することの可否についての最高裁判所の判例を紹介させていただきました。

なお、交通事故については、仙台の弁護士による交通事故のご相談もご覧ください。