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就業規則に拘束力を生ずるための要件

労働問題の判例 最高裁判所第二小法廷 平成15年10月10日判決 事案の概要 Y1社は,化学プラント・産業機械プラントの設計,施工を目的とする株式会社であり,本社のほか,平成4年4月,設計請負部門である「エンジニアリングセンター」(以下「センター」といいます。)を開設しました。センターには、センター長の下に設計者が勤務しており,平成6年当時のセンター長はY2でした。Xは,平成5年2月,Y...

被用者の使用者に対する求償の可否

労働問題の判例 最高裁判所第二小法廷 令和2年2月28日判決 事案の概要 Y社は、貨物運送を業とする資本金300億円以上の株式会社であり、全国に多数の営業所を有しています。Y社は、その事業に使用する車両全てについて自動車保険契約等を締結していませんでした。 Xは、平成17年5月、Y社に雇用され、トラック運転手として荷物の運送業務に従事していました。 Xは、平成22年7月26日、Y社の...

特定の労働組合から脱退する権利を行使しないことを義務付ける合意の有効性

労働問題の判例 最高裁判所第二小法廷 平成19年2月2日判決 事案の概要 Xは、平成元年4月1日、電気機械器具製造等を目的とするY1社に雇用され、A工場第一製造部の業務に従事していました。Y2労組は、同工場の業務に従事する従業員で構成されている労働組合であるところ、Xは、同年7月1日、Y2労組に加入しました。Y1社とY2労組とが締結した労働協約には、いわゆるユニオン・ショップ協定及びチェ...

元請の下請従業員に対する安全配慮義務

  最高裁判所第一小法廷 平成3年4月11日判決 事案の概要 下請従業員が業務が原因で聴力障害を生じたため、元請企業に対して安全配慮義務違反を理由とする損害賠償請求をした事案 争点 元請企業が下請け企業の従業員に対して安全配慮義務を負うか 裁判所の判断の要旨 下請企業の労働者が元請企業の作業場で労務の提供をするに当たり、元請企業の管理する設備工具等を用い、事実上...

【労働問題】【判例・裁判例】労働者派遣と偽装請負

  Y社は、A(本件当時の商号はB)ほか1社の出資による会社であり、平成16年1月当時、その製造ラインでは、上記2社から出向してきたY社の従業員と、Y社から業務委託を受けたC社等に雇用されていた者とが作業に従事していました。 C社は、家庭用電気機械器具の製造業務の請負等を目的としており、同社が同14年4月1日以降にY社との間で締結していた業務委託基本契約によれば、Y社が生産1台につき...

【労働問題】【判例・裁判例】住宅設備機器の修理補修等を業とする会社と業務委託契約を締結してその修理補修等の業務に従事する受託者の労働組合法上の労働者性

  X社は、親会社であるA社の製造した住宅設備機器の修理補修等を主たる事業とする株式会社です。X社の従業員約200名のうち修理補修等に従事する可能性があるのは30名未満で、修理補修業務の大部分は約590名いるカスタマーエンジニア(CE)によって行われていました。 X社は、CEとの間で1年ごとに更新される業務委託契約を締結し、製品全般の修理点検等をCEに委託していましたが、業務委託手数...

【労働問題】【判例・裁判例】労働条件の不利益変更

  A信用組合は、平成13年頃、経営破綻を回避するために、Y信用組合に対して合併を申し入れました。そして、平成14年6月29日、両者の間で本件合併を目的とする合併契約が締結され、同契約において、①本件合併によりA信用組合は解散し、Y信用組合が存続すること、②本件合併時にA信用組合に在職する職員に係る労働契約上の地位は、Y信用組合が承継すること、③上記の職員に係る退職金は、本件合併の際に...

【労働問題】【判例・裁判例】使用者の安全配慮義務違反

  Bは、元勤務先であるY社の反物類を窃取しようと考え、自動車でY社を訪れ、Y社社屋表側壁面に設置されているブザーボタンを押したところ、くぐり戸が開き宿直勤務中の新入社員Aが顔を出しました。Bは、Aに対し、「久しぶりだなあ」と声をかけたので、Aが「やあ先輩ですか」と答えると、Bは、「トイレを貸してくれ」と言ったので、Aがこれを許したところ、Bは、社屋内に入りトイレを使用しまた。その後B...

【労働問題】【判例・裁判例】有期契約労働者と無期契約労働者の間の賃金格差が労働契約法20条に違反するか

  Y社は、一般貨物自動車運送事業等を目的とする株式会社であり、Xは、平成20年10月6日頃、Y社のD支店にトラックの配車ドライバーとして雇用され、契約期間を6か月とする有期労働契約を締結し、更新してきました。Xの賃金は時給制で、通勤手当は月額3000円、「原則として昇給及び賞与の支給はない」が、「会社の業績及び勤務成績を考慮して、昇給し又は賞与を支給することがある」とされていました。...

【労働問題】【判例・裁判例】正社員と定年後再雇用された嘱託社員との賃金の相違が労働契約法20条に違反するか

  X1~X3は、Y社と無期労働契約を締結し、バラセメントタンク車の乗務員として勤務していましたが、満60歳で定年退職した後、Y社と有期労働契約を締結し、それ以降も嘱託社員としてバラ車の乗務員として勤務していました。 Y社と無期労働契約を締結しているバラ車等の乗務員(正社員)の賃金については、基本給、能率給、職務給、精勤手当、無事故手当、住宅手当、家族手当、役付手当、超勤手当、通勤手...