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【労働問題】【判例・裁判例】タクシー会社におけるストライキに際し営業用自動車の運行阻止の行為が正当な争議行為に当たらないとされた事例

  X社は旅客運送会社で、従業員115名を雇用し常時42台のタクシーを稼働させていました。Y1~Y6は、タクシー労働者の労働組合である全自交A地本ないし同地本X分会の執行委員長などの役職にありました。 A地本は昭和57年の春闘において、X社に対し基本給の引上げ、臨時給の支給、歩合給のみの臨時従業員の正社員化などを要求して団体交渉を重ねましたが、X社の拒否により決裂しました。 そこで...

【労働問題】【判例・裁判例】労働協約の一般的拘束力

  Xは、昭和26年にA社の鉄道保険部職員として雇用されましたが、昭和40年にY社がその業務を引き継いだことにともない、Y社の社員となりました。その際、A社の労働協約および就業規則は暫定的にY社においても拘束力が認められることが了解されましたが、その後両社の組合支部が合体して新たに結成されたB労組とY社との間で、労働条件の統一について交渉が続けられました。その結果、昭和47年までに労働...

【労働問題】【判例・裁判例】労働協約による労働条件の不利益変更

  各種損害保険業を営むY社は、昭和40年にA社の鉄道保険部を合体、同部の従業員428名はY社の従業員となり、同部従業員で組織する組合も、Yの従業員で組織されるZ組合Y支部に統合されました。 本件合体に伴い、就業時間、退職金、賃金制度等の労働条件については、鉄道保険部出身の労働者の労働条件をそれ以外の労働者の基準に引き上げることで昭和47年までに順次統一されましたが、定年の統一につい...

【労働問題】【判例・裁判例】書面性を欠く労使合意と労働協約

  Xらは、Yの経営する自動車教習所に勤務する従業員であり、A組合、B組合C支部の組合員でした。なお、Yには、C支部のほか、D組合がありました。 Yは、昭和53年6月以降、ベースアップについてC支部との間で労使交渉を行い、その結果締結された労働協約に基づいて従業員に賃金を支給していました。 平成3年度もベースアップについてYとC支部との間で労使交渉が行われ、YはC支部に対し、新賃金...

【労働問題】【判例・裁判例】リボン闘争の組合活動としての正当性

  X社は、高級ホテルを経営する会社です。X社のホテル従業員らは、A労働組合を結成し、Bホテル労連に加盟しました。 A労働組合結成約3か月後、A労働組合は賃上げを要求して団体交渉を重ねましたが、回答を不満としていわゆるリボン闘争を実施することとし、組合員は上着の左胸にリボン(直径6センチの紅白または直径約5センチのピンク色と白色の花形に、「要求貫徹」「ホテル労連」などと記入されたもの...

【労働問題】【判例・裁判例】チェック・オフと個々の組合員からの委任の要否

  XらはY社の従業員であり、A労働組合の組合員でしたが、闘争方針の違いから執行部と激しく対立したため、 B労働組合を結成してB労組に加入し、Y社にもその旨通告がなされました。   A労組とY社との間では労働協約に基づくチェック・オフ(使用者が組合員である労働者の賃金から組合費を天引きし、一括して労働組合に渡す制度)協定が締結されていたところ、XらはY社に対し、昭和57年10月12日...

【労働問題】【判例・裁判例】使用者の行う企業秩序違反事件の調査と労働者の協力義務

  Xは、Y社に勤務していました。 Y社の従業員であるAは、社内で従業員を対象として、原水爆禁止の署名集め及び活資金調達の運動を行いましたが、Xに対しても、資金調達のための販売用ハンカチの作成を依頼しました。 Y社は、Aのかかる活動を知り、事情聴取に及び、AのXへの依頼のほか、Xも他の従業員に対してハンカチの作成を依頼したことをも知るに至り、Xからも事情を聴くことになりました。 ...

【労働問題】【判例・裁判例】労働組合又はその組合員が使用者の許諾を得ないで使用者の物的施設を利用して行う組合活動の当否

  XらはYの従業員であり、A労働組合に所属していました。 Aは、賃上げ要求とともに、Yの合理化案への反対や団結力の高揚等を目的としたビラ貼り闘争の実施をA札幌地方本部に指令し、さらにA札幌地方本部は傘下の支部・分会に対して同指令の実施を命じました。   Xらはこれにより組合員が日常使用している「詰所」内のロッカーに各1~2枚のビラをセロテープで添付しました。これらのビラは縦約40...

【労働問題】【判例・裁判例】疾病のため一部の労務の提供ができなくなった場合の債務の本旨に従った労務の提供

  Xは、建設会社であるY社に雇用されて以来21年以上にわたり建築工事現場における現場監督業務に従事してきました。Xは、一時的に本社の工務監理部に籍を置き、非現場業務を行っていたところ、非現場業務から新たな建築工事現場での現場監督業務を命ぜられました。 Xは、一応現場監督業務に就きつつ、以前からパセドウ病にり患しているから同業務のうち現場作業に従事したり午後6時以降の残業や休日出動を...

【労働問題】【判例・裁判例】業務命令の適法性

  Xは国鉄A営業所の運輸管理係の地位にありましたが、営業所の管理者に準ずる地位である補助運行管理者に指定され、昭和60年7月及び8月のうち、連続して2日間ずつの合計10日間が、補助運行管理者として点呼執行業務に従事すべき日に定められていました。 Xは、補助運行管理者として点呼執行業務に従事すべき日とされていた前記10日間のいずれの日においても、国鉄労働組合の組合員バッジを着用したま...