解雇の有効性(懲戒解雇)
懲戒解雇とは
懲戒解雇とは、企業秩序違反行為に対する制裁である懲戒処分として行われる解雇です。
使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は無効となります(労働契約法15条)。
懲戒解雇の有効性
懲戒解雇の有効性は、主に以下の点を考慮して判断されます。
1 懲戒事由及び懲戒の種類が明確に規定されているか(労働基準法89条9号)
2 懲戒規定が労働者に周知されているか
3 既定の内容が合理的であるか
4 規定に該当する懲戒事由があるか
さらに、一般的に、以下のような解釈がなされています。
1 当該行為が行われた後に制定された規則の懲戒事由に基づいて懲戒処分をすることはできないと解されています。
2 過去に既に懲戒処分の対象とされた事由に関して、重ねて懲戒処分をすることはできないと解されています。
3 同じ規定に同じ程度に違反した場合は、これに対する懲戒処分も同種・同程度である必要があります。
4 懲戒処分の重さは、規律違反の種類・程度その他の事情に照らして相当なものでなければなりません。
5 就業規則等で労働組合との事前協議等が定められているときは、定められた手続をとる必要があります。
6 懲戒事由発生から相当期間経過後になされた懲戒処分は、懲戒権の濫用とされることがあります。
ご説明したように、懲戒解雇の有効性はいろいろな点を考慮して判断されます。万一会社から懲戒解雇を言い渡されても、懲戒解雇が無効とされる可能性がありますので、懲戒解雇が納得できないという方は、宮城県仙台市の当事務所までご相談いただければと思います。
なお、不当解雇の問題については、仙台の弁護士による不当解雇・リストラのご相談もご覧ください。