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【不当解雇・雇止め・退職勧奨】【判例・裁判例】懲戒解雇が不当解雇と判断された事例

 
X1、X2はY社に勤務していたところ、平成5年10月25日、26日、平成6年2月10日に、Y社のA課長代理に対して暴行したとして、警察に被害届を、検察庁に告訴状を出されました。検察庁は平成11年12月28日、X1、X2を不起訴処分としました。
Y社は、平成13年4月17日に、上記暴行事件等を理由にX1、X2を諭旨退職処分とし、同月25日までに退職願を提出すれば自己都合退職とし退職金全額を支給するが、提出しないときは懲戒解雇するとしましたが、退職願が提出されなかったため、同月26日付でX1、X2を懲戒解雇しました。
そのため、X1、X2は、同懲戒解雇はその理由とされた事件の発生から7年以上の長期間が経過した後になされており、権利の濫用で無効であるとして、Y社に対して労働契約上の従業員たる地位にあることの確認等を求めたところ、懲戒解雇の有効性が問題となりました。

これについて、裁判所は、暴行事件には目撃者が存在しており、捜査の結果を待たずとも使用者において処分を決めることが十分に可能であったこと、諭旨退職処分がされた時点で企業秩序維持の観点から重い懲戒処分を行うことを必要とするような状況はなかったことなどの事情の下では、諭旨退職処分は、権利の濫用として無効というべきであり、同諭旨退職処分による懲戒解雇はその効力を生じないというべきである旨判断しました。

(最高裁判所平成18年10月6日第二小法廷判決)

不当解雇・雇止め・退職勧奨の問題に関して、懲戒解雇が不当解雇と判断された事例についての最高裁判所の判例を紹介させていただきました。

なお、不当解雇の問題については、仙台の法律事務所による不当解雇・リストラのご相談もご覧ください。