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【賃金・残業代・退職金】【判例・裁判例】外形的には任意退職した従業員の退職金額の算定

 
Xらは、民法上の組合であるY1の従業員でしたが、上司が犯した業務上横領事件に関与したとの疑いをかけられ、自宅待機を命じられました。
そのため、職場復帰等を求めたところ、Y1の業務執行者であるY2社により、職場であった福岡事務所から東京地区事務所への配転命令及び同事務所への出所命令を受けたほか、その後も引き続き3回に渡り、出勤停止命令及び東京地区事務所への出所命令を受けました。
そこで、Xらは、このままY1に雇用されていても冷遇されるのみであると考え、退職届を提出しました。
以上のような事実関係の下で、Xらが、Y1に対して、業務上の都合により解雇された場合に準ずる退職金の支払を求めたところ、退職金規程の適用に当り、Xらの退職事由はどのように考えるべきかが問題になりました。

これについて、裁判所は、Xらの退職は、自宅待機命令を含む違法な業務命令によるものであるから、自己都合による退職ではなく、業務上の都合による解雇の場合と同視すべき事由があるとして、Xらにはその場合に準じて算定される退職金請求権がある旨判断しました。

(福岡地方裁判所平成3年2月13日判決)

賃金・残業代・退職金の問題に関して、外形的には任意退職した従業員の退職金額の算定についての福岡地方裁判所の裁判例を紹介させていただきました。

なお、残業代については、仙台の法律事務所による残業代請求のご相談もご覧ください。