【パワハラ・セクハラ】【判例・裁判例】受付業務への配転が違法と判断されたパワハラ事例
XはY銀行の東京支店のセクションチーフ(課長職相当)として働いていましたが、オペレーションズテクニシャン(課長補佐職相当)に降格され、その後、総務課の受付業務に配転されました。そのため、XがY銀行に対し、受付業務への配転はXを退職に追い込む意図をもってなされた不法行為であるとして裁判を起こしたところ、Xを受付業務に配転したことが不法行為を構成するかが問題になりました。
これについて、裁判所は、Xを受付業務に配転したことは、その相当性について疑問があり、元管理職をことさらにその経験・知識にふさわしくない職務に就かせ、働きがいを失わせるとともに、行内外の人々の衆目にさらし、違和感を抱かせ、やがては職場にいたたまれなくさせ、自ら退職の決意をさせる意図の下にとられた措置ではないかと推知されるところであり、是認されるものではないことからすると、Xの人格権(名誉)を侵害し、職場内・外で孤立させ、勤労意欲を失わせ、やがて退職に追いやる意図をもってなされたものであり、裁量権の範囲を逸脱した違法なものであって不法行為を構成するというべきである旨判断しました。
(東京地方裁判所平成7年12月4日判決)
パワハラ・セクハラに関して、受付業務への配転が違法と判断されたパワハラ事例についての東京地方裁判所の判例を紹介させていただきました。
なお、パワハラ・セクハラについては、仙台の弁護士によるパワハラ・セクハラのご相談もご覧ください。