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【賃金・残業代・退職金】【判例・裁判例】実作業に従事していない仮眠時間が労働時間にあたるか

 
Xらは、ビル管理会社Y社の従業員として、Y社が管理を受託したビルに配属され、ボイラー等の運転・管理、電気・空調設備等の保守、点検、ビル内巡回監視等の業務に従事していました。Xらの勤務のうち、月数回は午前9時から翌日同時刻までの24時間連続勤務で、その間、仮眠時間が連続7~9時間与えられていました。Xらは、仮眠時間中も、配属先のビルからの外出を原則禁止され、飲酒も禁止されており、ビル内の仮眠室で仮眠時間中に警報または電話が鳴ったときは必要な対応をすることとされていましたが、そうした事態が生じない限り、睡眠をとってもよいこととされていました。
Y社は、仮眠時間について、実作業をした場合を除き、賃金計算上労働時間として扱わず、2300円の泊り勤務手当のみ支給していました。
このような状況で、Xらは、仮眠時間を実作業の有無にかかわらず労働時間として扱うべきであるとし、仮眠時間に対する残業代(時間外・深夜業割増賃金手当)の支払いを請求したところ、実作業に従事していない仮眠時間が労働時間にあたるかが問題になりました。

これについて、裁判所は、労働者が実作業に従事していない仮眠時間であっても、労働契約上の役務の提供が義務付けられていると評価される場合には、労働からの解放が保障されているとはいえず、労働者は使用者の指揮命令下に置かれているというのが相当であり、ビル管理会社の従業員が従事する泊り勤務の間に設定されている連続7時間ないし9時間の仮眠時間は、従業員が労働契約に基づき仮眠室における待機と警報や電話等に対して直ちに相当の対応をすることを義務付けられており、そのような対応をすることが皆無に等しいなど実質的に上記義務付けがされていないと認めることができるような事情も存しないなどの事実関係の下においては、実作業に従事していない時間も含め全体として従業員が使用者の指揮命令下に置かれているものであり、労働基準法32条の労働時間に当たる旨判断しました。

(最高裁判所平成14年2月28日第一小法廷判決)

賃金・残業代・退職金の問題に関して、実作業に従事していない仮眠時間が労働時間にあたるかについての最高裁判所の判例を紹介させていただきました。

なお、残業代については、仙台の法律事務所による残業代請求のご相談もご覧ください。