養老保険契約における保険金請求権と相続
最高裁判所第三小法廷 昭和40年2月2日判決
事案の概要
Aは生前、自身を被保険者、死亡保険金の受取人を「被保険者死亡の場合はその相続人」と指定して養老保険をかけていました。
Aは、自己の所有財産の全部をXに遺贈する旨の遺言を残していました。
Aには、配偶者、直系卑属、直系尊属はおらず、姉と弟がいました。
このような状況で、Aの死後、Xが養老保険の保険会社に対し、自身が相続人として保険金受取人に該当するとして保険金の支払いを求めました。
争点
1 保険金受取人を「被保険者死亡の場合はその相続人」と指定したときの養老保険契約の性質
2 前項の場合における保険金請求権の帰属
裁判所の判断の要旨
1 養老保険契約において被保険者死亡の場合の保険金受取人が単に「被保険者死亡の場合はその相続人」と指定されたときは、特段の事情のないかぎり、右契約は、被保険者死亡の時における相続人たるべき者を受取人として特に指定したいわゆる「他人のための保険契約」と解するのが相当である。
2 前項の場合には、当該保険金請求権は、保険契約の効力発生と同時に、右相続人たるべき者の固有財産となり、被保険者の遺産より離脱しているものと解すべきである。
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