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【相続】【判例・裁判例】共同相続人の1人が遺産たる特定不動産に対する共有持分権を譲渡した場合と民法905条の適用又は類推適用の可否

 
Y1(Aの妻)、Y2~Y5(Aの子)は、Aを共同相続しました。
Y1の法定相続分は3分の1、Y2~Y5の法定相続分は各6分の1でした(昭和55年の改正前の民法による法定相続分です)。遺産分割前に、Y1は、Y2~Y5に無断で、Y1~Y5の名義で、共同相続財産中の土地をBに譲渡し、Bは、これをさらにXに譲渡しました。
Xが、Y1~Y5に対して、当該土地について、主位的に、その譲受人として、Yらの共有持分権の移転登記手続を求め、予備的に、Y1の持分(3分の1)の譲受人として、共有物分割(あわせて分割による持分についての移転登記)を求める裁判を起こしたところ、Y2が民法905条に基づいてXに対して相続分の取戻しの意思表示をしたため、共同相続人の1人が遺産たる特定不動産に対する共有持分権を譲渡した場合に民法905条を適用又は類推適用することの可否が問題になりました。

これについて、裁判所は、共同相続人の1人が遺産を構成する特定の不動産について同人の有する共有持分権を第三者に譲渡した場合に、民法905条の規定を適用又は類推適用することはできない旨判断しました。

(最高裁判所昭和53年7月13日第一小法廷判決)

相続に関して、共同相続人の1人が遺産たる特定不動産に対する共有持分権を譲渡した場合と民法905条の適用又は類推適用の可否についての最高裁判所の判例を紹介させていただきました。

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