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【相続】【判例・裁判例】共同相続された普通預金債権、通常貯金債権及び定期貯金債権は遺産分割の対象となるか

 
Aは、平成24年3月に死亡したところ、Aの法定相続人は、XとYの2人でした。
Aは、評価額約258万円の不動産のほかに、約4000万円の預貯金を有していました。また、Yには約5500万円の特別受益がありました。
このような状況で、XがYに対してAの遺産である不動産及び預貯金の遺産分割を求める調停を家庭裁判所に申し立てたところ、家庭裁判所は、遺産のうち、預貯については相続時に当然に法定相続人らに分割されるので、遺産分割の対象は不動産だけであるとし、Yの特別受益を考慮して不動産をXの取得とする旨の審判をしました。
Xは、これを不服として抗告したところ、共同相続された普通預金債権、通常貯金債権及び定期貯金債権は遺産分割の対象となるかが問題になりました。

これについて、裁判所は、共同相続された普通預金債権、通常貯金債権及び定期貯金債権は、いずれも、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象となる旨判断しました。

(最高裁判所大法廷平成28年12月19日決定)

相続に関して、共同相続された普通預金債権、通常貯金債権及び定期貯金債権は遺産分割の対象となるかについての最高裁判所の判例を紹介させていただきました。

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