【労働問題】【判例・裁判例】採用の自由
XはY社の社員採用試験に合格し、大学卒業と同時にY社に3か月の試用期間を設けて採用されました。しかし、試用期間の満了直前に、入社試験の際に学生運動に関する経歴を秘匿し虚偽の申告をしたことを理由として本採用を拒否されました。
そのため、XがY社に対して、契約上の地位の確認を求めて裁判を起こしたところ、その中で、特定の思想、信条を有することを理由とする雇入れの拒否は許されるか、企業者が労働者の雇入れにあたりその思想、信条を調査することの可否等が問題になりました。
これについて、裁判所は、企業者が特定の思想、信条を有する労働者をそのゆえをもって雇い入れることを拒んでも、それを当然に違法とすることはできず、労働者を雇い入れようとする企業者が、その採否決定にあたり、労働者の思想、信条を調査し、そのためその者からこれに関連する事項についての申告を求めることは、違法とはいえない旨判断しました。
(最高裁判所昭和48年12月12日大法廷判決)
労働問題に関して、採用の自由についての最高裁判所の判例を紹介させていただきました。
なお、労働問題については、仙台の弁護士による労働問題のご相談もご覧ください。