【労働問題】【判例・裁判例】安全配慮義務違反による損害と弁護士費用
Xは、Yに雇用され、工場においてプレス機の操作に従事していたところ、同プレス機に両手を挟まれ、両手の親指を除く各4指を失うという事故に遭ってしまいました。
そのため、Xは弁護士を依頼して、Yに対し、Yの安全配慮義務違反を理由に債務不履行に基づく損害賠償等を求める裁判を起こしたところ、弁護士費用が安全配慮義務違反と相当因果関係に立つ損害といえるかが問題になりました。
これについて、裁判所は、労働者が、使用者の安全配慮義務違反を理由とする債務不履行に基づく損害賠償を請求するため訴えを提起することを余儀なくされ、訴訟追行を弁護士に委任した場合には、その弁護士費用は、事案の難易、請求額、認容された額その他諸般の事情を斟酌して相当と認められる額の範囲内のものに限り、上記安全配慮義務違反と相当因果関係に立つ損害というべきである旨判断しました。
(最高裁判所平成24年2月24日第2小法廷判決)
労働問題に関して、安全配慮義務違反による損害と弁護士費用についての最高裁判所の判例を紹介させていただきました。
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