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会社所有の自動車を従業員が私用のため無断運転して同乗者を死亡させた場合の会社の運行供用者責任

交通事故の判例
最高裁判所第二小法廷 昭和49年12月6日判決

事案の概要

Y社の従業員であるAは、Y社所有の自動車を私用に使うことを厳重に禁止されていたにもかかわらず、勝手に持ち出して夜桜見物に出かけようとしましたが、その際、Aの母からY社所有の自動車は私用に使うことを禁止されているのであるから夜桜見物に出かけることをやめるように戒められていったんは思いとどまりました。
しかし、その場に居合わせたB、C、Dは、Y社がその所有自動車を私用に使うことを禁止していることを承知していながら、夜桜見物の決行を強く主張し、積極的にAをそそのかして同人ともども右自動車に同乗して出かけ、その帰途においてAの運転する自動車が大型貨物自動車に正面衝突し、そのためA及び同乗者3名がいずれも即死してしまいました。

争点

会社の従業員が会社所有の自動車を私用のため無断運転中に惹起した事故により同乗者を死亡させた場合に、その相続人から会社に対し自動車損害賠償保障法第3条に基づく運行供用者責任を問うことができるか

裁判所の判断の要旨

会社の従業員が会社所有の自動車を私用のため無断運転中惹起した事故により同乗者を死亡させた場合において、同乗者が、会社によってその自動車を私用に使うことが禁止されていることを知りながら、無断持出しをいったん思い止まった従業員をそそのかして同人ともども夜桜見物に出かけるため右自動車に同乗したものである等判示の事実関係のもとにおいては、右事故により同乗者及びその相続人に生じた損害につき、右相続人は、会社に対し自動車損害賠償保障法3条に基づく運行供用者責任を問うことができない。

交通事故に関して、会社所有の自動車を従業員が私用のため無断運転して同乗者を死亡させた場合の会社の運行供用者責任についての最高裁判所の判例を紹介させていただきました。

なお、交通事故については、仙台の弁護士による交通事故のご相談もご覧ください。