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【交通事故】【判例・裁判例】自動車損害賠償保障法3条但書の免責

 
深夜、自動車専用道路で、Y県所属の警察用自動車が、交通事故の処理を終え、帰署するため上り車線から下り車線へ転回しようとしてセンターラインを越えて進んだところへ、Aが自動車を運転して下り車線を時速約100キロメートルで進行してきました。Aは、警察用自動車との衝突を避けるため自動車を道路左側に寄せた結果、道路近くに駐車していた小型貨物車に追突し、死亡してしまいました。
そのため、Aの親であるXらがY県に対して自動車損害賠償保障法(自賠法)3条に基づいて損害賠償の請求をしたところ、警察用自動車に過失があるかが問題になりました。

これについて、裁判所は、実況見分を済ませた警察の自動車が、帰署するため、自動車専用道路において転回行為をするについては、少なくとも法令に定められた緊急自動車用のサイレンを鳴らし、かつ、対向車両の進行を急激に妨げないような時機と方法を選ぶべきであって、夜間、サイレンを鳴らすことなく、また、交通規制をする等の措置もとらず転回行為に及んだため、これとの衝突を避けようとした対向車に追突事故を起させた場合には、右警察の自動車の運行について過失がなかつたものとすることはできず、その保有者は、自動車損害賠償保障法3条但書による免責を受けることはできない旨判断しました。

(最高裁判所昭和46年11月19日第二小法廷判決)

交通事故に関して、自動車損害賠償保障法3条但書の免責についての最高裁判所の判例を紹介させていただきました。

なお、交通事故については、仙台の弁護士による交通事故のご相談もご覧ください。