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【交通事故】【判例・裁判例】搭乗者傷害条項における死亡保険金の支払事由

 
Aは、午後9時50分ころ、高速道路で、自動車を運転中、何らかの原因により運転操作を誤って、自動車をガードレールに衝突させるという交通事故(自損事故)を起こしてしまいました。その結果、A運転自動車は破損して走行不能となり、走行車線と追越車線とにまたがった状態で停止しました。
Aは、交通事故後すぐに自動車から降り、小走りで走行車線を横切って路肩付近に避難しましたが、その直後に事故現場を通過した後続の大型貨物自動車に接触され、衝突されて転倒してしまいました。さらに、大型貨物自動車の後方から走行してきた別の大型貨物自動車にれき過され、死亡してしまいました。
AはY保険会社との間で、Y保険会社を保険者とし、Aが運転していた自動車を被保険自動車とする自家用自動車保険契約を締結していたことろ、同保険契約に適用される自家用自動車保険契約普通保険約款の搭乗者傷害条項においては、「被保険自動車の正規の乗車装置等に搭乗中の者が、被保険自動車の運行に起因する急激かつ偶然な外来の事故により身体に傷害を被り、その直接の結果として死亡したこと」が死亡保険金の支払事由となる旨が定められていました。
そのため、Aの相続人であるXらが、Y社に対し、搭乗者傷害条項に基づく死亡保険金の支払を求める裁判を起こしたところ、夜間高速道路において自動車を運転中に自損事故を起こし車外に避難した運転者が後続車にれき過されて死亡したことが自家用自動車保険契約普通保険約款の搭乗者傷害条項における死亡保険金の支払事由に該当するかが問題になりました。

これについて、裁判所は、自家用自動車保険契約普通保険約款の搭乗者傷害条項に、「被保険自動車の正規の乗車装置等に搭乗中の者が、被保険自動車の運行に起因する急激かつ偶然な外来の事故により身体に傷害を被り、その直接の結果として死亡したこと」が死亡保険金の支払事由であると定められている場合において、被保険自動車の運転者が、夜間、高速道路において自損事故を起こし、これにより走行不能となった上記自動車から降りて路肩付近に避難したが、その直後に後続車にれき過されて死亡したことは、(1)当該運転者が後続車の衝突等により身体の損傷を受けかねない切迫した危険を避けるために車外に避難せざるを得ない状況に置かれたこと、(2)その避難行動は避難経路も含めて上記危険にさらされた者の行動として自然なものであったこと、(3)上記れき過が上記自損事故と時間的にも場所的にも近接して生じていることなど判示の事情の下では、上記自損事故と上記れき過による死亡との間に相当因果関係が認められ、上記条項における死亡保険金の支払事由に該当する旨判断しました。

(最高裁判所平成19年5月29日第三小法廷判決)

交通事故に関して、搭乗者傷害条項における死亡保険金の支払事由についての最高裁判所の判例を紹介させていただきました。

なお、交通事故については、仙台の弁護士による交通事故のご相談もご覧ください。