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【交通事故】【判例・裁判例】好意同乗者の他人性

 
AとYは同じ職場で働いたことがあるという間柄でしたが、Yが仕事に行く際に、AがYの自動車に乗り込みました。そして、行く先で酒を振る舞われると、Aは次々に酒を飲み、泥酔状態になってしまいました。
そのため、Yは、Aに対し、酔っているので泊めてもらって行くように言いましたが、AはYが運転する自動車の助手席に無理に乗り込み、Yはそのまま出発することにしました。しかし、Yが交通事故を起こし、Aが死亡してしまいました。
そのため、Aの妻XがYに対して損害賠償請求をしたところ、Yの好意で無償で同乗したAが自動車損害賠償保障法(自賠法)3条にいう他人にあたるかが問題になりました。

これについて、裁判所は、自動車損害賠償保障法3条にいう「他人」とは、自己のために自動車を運行の用に供する者および当該自動車の運転者を除く、それ以外の者をいうものと解するのが相当であるところ、Yは酩酊して同人の車の助手席に乗り込んだAに対し、結局はその同乗を拒むことなく、そのまま右車を操縦したというのであるから、Aを同条の「他人」にあたるとした判断は相当である旨判断しました。

(最高裁判所昭和42年9月29日第二小法廷判決)

交通事故に関して、好意同乗者の他人性についての最高裁判所の判例を紹介させていただきました。

なお、交通事故については、仙台の法律事務所による交通事故のご相談もご覧ください。