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【交通事故】【判例・裁判例】高速道路上のキツネの飛び出しと道路の設置・管理の瑕疵

 
Aは、平成13年10月8日午後7時51分ころ、北海道縦貫自動車道函館名寄線において、普通乗用自動車を運転して走行中、約100m前方の中央分離帯付近から飛び出してきたキツネとの衝突を避けようとして急激にハンドルを切り、その結果、自動車は横滑りして中央分離帯に衝突する交通事故を起こし、車道上に停止しました。
そして、同日午後7時53分ころ、車道上に停車中のA運転自動車に後続車が衝突するという交通事故が起こり、Aは、これにより頭蓋底輪状骨折等の傷害を負い、死亡してしまいました。
この事故があった区間においては、道路に侵入したキツネが走行中の自動車に接触して死ぬ事故が、年間数十件発生していました。また、上記自動車道の別の区間で、道路に侵入したキツネとの衝突を避けようとした自動車が中央分離帯に衝突しその運転者が死亡する事故が、平成6年に1件発生していました。
事故現場付近の道路には、動物注意の標識が設置されており、また、動物の道路への侵入を防止するため、有刺鉄線の柵と金網の柵が設置されていました。有刺鉄線の柵には鉄線相互間に20cmの間隔があり、金網の柵と地面との間には約10cmの透き間がありました。
このような状況で、Aの両親であるXらが、道路管理者Yに対して損害賠償を求める裁判を起こしたところ、北海道内の高速道路で自動車の運転者がキツネとの衝突を避けようとして自損事故を起こした場合において、小動物の侵入防止対策が講じられていなかったことが、道路に設置又は管理の瑕疵があるといえるかが問題になりました。

これについて、裁判所は、 北海道内の高速道路で自動車の運転者がキツネとの衝突を避けようとして自損事故を起こした場合において、(1)走行中の自動車が上記道路に侵入したキツネ等の小動物と接触すること自体により自動車の運転者等が死傷するような事故が発生する危険性は高いものではないこと、(2)金網の柵を地面との透き間無く設置し、地面にコンクリートを敷くという小動物の侵入防止対策が全国で広く採られていたという事情はうかがわれず、そのような対策を講ずるためには多額の費用を要することは明らかであること、(3上記道路には動物注意の標識が設置されていたことなど判示の事情の下においては、上記(2)のような対策が講じられていなかったからといって、上記道路に設置又は管理の瑕疵があったとはいえない旨判断しました。

(最高裁判所平成22年3月2日第三小法廷判決)

交通事故に関して、高速道路上のキツネの飛び出しと道路の設置・管理の瑕疵についての最高裁判所の判例を紹介させていただきました。

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