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【交通事故】【判例・裁判例】トラックに積載された鋼管くいをクレーン車の装置により荷下ろしする際に作業を手伝ったトラックの運転者が鋼管くいの落下により死亡した事故につきトラック運転者が自賠法3条にいう「他人」に当たるか

 
Xは、クレーン車のリース及びくい打ち等の基礎工事等の仕事をしている者であり、その保有する大型特殊自動車(移動式クレーン車)について、Y社との間で、自動車損害賠償保障法(自賠法)に基づく責任保険契約を締結していました。
橋りょう整備工事の現場において、A社の従業員であるBは、自身が運転するトラックに積載して運搬してきた鋼管くいの荷下ろし作業中に、鋼管くい一本に玉掛けを行い、Xの従業員Cが移動式クレーン車を運転して同鋼管くいをつり上げたところ、これが落下し、Bの身体に当たり、Bは内臓破裂によって数時間後に死亡してしまいました。
Bの相続人らは、XやC等に対して損害賠償請求訴訟を提起し、Xから訴訟告知を受けたY社は補助参加をして争いましたが、XがBの相続人らに損害賠償金として1500万円の支払義務があることを認め、同金員等を支払う旨の裁判上の和解が成立しました。そして、Xはそのうち1150万円を支払いました。
Xは、上記和解に基づきBの相続人らに支払い、又は支払うべき損害賠償金について、自賠法15条に基づき、Y社に対し、既払分1150万円と同額の支払及びこれに対する遅延損害金の支払並びに期限未到来の350万円の支払を条件とする同額の支払を求める裁判を起こしたところ、トラックに積載された鋼管くいをクレーン車の装置により荷下ろしする際に玉掛け作業を手伝ったトラックの運転者が鋼管くいの落下により死亡した事故につきトラック運転者が自賠法3条にいう「他人」に当たるかが問題になりました。

これについて、裁判所は、トラックに積載された鋼管くいをクレーン車の装置により工事現場に荷下ろしする際に玉掛け作業を手伝った右トラックの運転者甲が鋼管くいの落下により死亡した事故において、鋼管くいは工事現場で車上に積載したままの状態で工事業者に引き渡す約定とされており、甲は、右クレーン車の運転者乙が行う鋼管くいの荷下ろし作業について、指示や監視をすべき立場にも、右作業を手伝う義務を負う立場にもなく、また、鋼管くいが落下した原因は、乙が自らの判断で鋼管くいを安全につり上げるのには不適切な短いワイヤーロープを使用した上クレーンの補巻フックにシャックルを付けずにワイヤーロープを装着したことにあり、その後甲が好意から玉掛けを手伝って行った作業が鋼管くい落下の原因となっているものではないという事情の下においては、甲は、右クレーン車の運転補助者には該当せず、自動車損害賠償保障法三条にいう「他人」に当たる旨判断しました。

(最高裁判所平成11年7月16日第二小法廷判決)

交通事故に関して、トラックに積載された鋼管くいをクレーン車の装置により荷下ろしする際に作業を手伝ったトラックの運転者が鋼管くいの落下により死亡した事故につきトラック運転者が自賠法3条にいう「他人」に当たるかについての最高裁判所の判例を紹介させていただきました。

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