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【賃金・残業代・退職金】【判例・裁判例】所定労働時間外に行った業務の準備行為に要した時間が労働時間に該当するか

 
Xらは、船舶等の製造・修理等を行うY社に雇用されて造船所において就業していました。
Y社の就業規則によると、Xらの労働時間は午前8時から午後5時までで、始業に間に合うように更衣等を完了して作業場に到着し、所定の始業時刻に作業場において実作業を開始すること、終業にあたっては所定の終業時刻に実作業を終了し終業後に更衣等を行うということが定められ、さらに始終業の勤怠管理は、更衣を済ませ始業時に体操をすべく所定の場所にいるか否か、終業時に作業場にいるか否かを基準として定められていました。
また、Xらは、Y社から、実作業に当たり、作業服のほか所定の保護具(保護安全帽、安全靴、安全帯、脚絆等)、工具等の装着を義務付けられ、その装着を所定の更衣所等において行うものとされていました。さらに、Xらの中には、Y社により、始業時刻前に材料庫等からの副資材等の受出しを行うことを義務付けられていた者や、粉じんが立つのを防止するため散水をすることを義務付けられていた者もいました。
そのため、Xらが、Y社に対し、所定労働時間外に行った業務の準備行為に要した時間が労働時間に該当すると主張して未払い賃金の支払いを求めたところ、かかる準備行為に要した時間が労働時間に該当するかが問題になりました。

これについて、裁判所は、労働基準法(昭和六二年法律第九九号による改正前のもの)32条の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではなく、労働者が、就業を命じられた業務の準備行為等を事業所内において行うことを使用者から義務付けられ、又はこれを余儀なくされたときは、当該行為を所定労働時間外において行うものとされている場合であっても、当該行為は、特段の事情のない限り、使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができ、当該行為に要した時間は、それが社会通念上必要と認められるものである限り、労働基準法上の労働時間に該当すると解される旨判断しました。

(最高裁判所平成12年3月9日第一小法廷判決)

賃金・残業代・退職金の問題に関して、所定労働時間外に行った業務の準備行為に要した時間が労働時間に該当するかについての最高裁判所の判例を紹介させていただきました。

なお、残業代については、仙台の弁護士による残業代請求のご相談もご覧ください。