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【労働問題】【判例・裁判例】査定差別の認定方法

 
Z組合およびZ組合員であるAら9名は、X社が、Aらに対し、組合活動を理由として仕事上の差別的取扱いをしたこと、および、新賃金制度において昇級および昇給・賞与の基礎となる査定を低くし、毎年の昇給および年2回の賞与についての賃金上の差別的取扱いをしたことは、労働組合法7条1号の不利益取扱いおよび同条3号の支配介入に該当する不当労働行為であるとして、地労委に救済を申し立てました。
地労委は、これらを不当労働行為と認定し、X社に対し、昭和56年度から平成2年度までにつき等級、査定、昇給、賞与の見直しと差額賃金の支払等を命じました。
X社およびZ組合・Aらは、それぞれ中央労働委員会に再審査を申し立てましたが、中央労働委員会は、不当労働行為を認定した上で、地労委の救済命令を一部変更し、X社に対し、昭和61年度から平成2年度までにつき、昭和56年2月以降に生じた等級格差の是正(1名を除く)と他の社員の平均的な査定に基づく昇給および賞与の格差の是正等を命じました。
そのため、X社が、中央労働委員会の救済命令の取消しを求める裁判を起こしたところ、査定差別の認定方法が問題になりました。

これについて、裁判所は、①不利益取扱いの不当労働行為を主張する者は「当該組合員が組合員以外の者と能力、勤務実績において劣らない」ことを「自己の把握しうる限りにおいて具体的事実を挙げて立証する」必要がある、使用者側もこれに応じて「当該組合員の能力、勤務成績が組合員以外の者より劣る」ことの具体的反証をする必要がある、②「組合員が組合員以外の者と能力、勤務実績において同等であるか否か」を判断するに当たっては、使用者の不当労働行為が継続的に、あるいは繰り返し行われ、それによって通常生ずるであろう影響により当該組合員の能力が正当に評価されず、勤務実績を積む機会を与えられなかった結果、勤務実績が悪化したかどうかを考慮することを要する旨判断しました。

(東京高等裁判所平成15年12月17日判決)

労働問題に関して、査定差別の認定方法についての東京高等裁判所の裁判例を紹介させていただきました。

なお、労働問題については、仙台の法律事務所による労働問題のご相談もご覧ください。