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【労働問題】【判例・裁判例】労働組合の分裂と財産帰属

 
A社の労働組合(旧組合)は、ある全国中央組織に加入していましたが、従来どおりの中央組織の傘下にとどまろうとする少数派と、従来の中央組織の傘下を離れて新たに別の全国中央組織に加盟しようとする多数派との間に内部対立が生じました。
多数派は、臨時組合大会において、解散の議事の採決は「組合員の直接無記名投票による」旨の組合規約に反して、「起立」の方法により賛成多数で旧組合の解散を決議しました。なお、起立の方法により採決することについては、決議参加者全員の同意を得ていませんでした。その直後に、多数派は、Y組合を結成しました。
他方、解散に反対した組合員は、組合の執行委員長を補充したのみで、他の組合役員、組合規約、組合の名称には何ら変更を加えることなく、X組合に残留しました。
旧組合の会計係はY組合に加入したため、旧組合の財産(46万4126円)はY組合が保管することになりましたが、X組合は、旧組合の解散決議は無効であり、旧組合はX組合として存続しているとして、Y組合に対して46万4126円の支払いを求めて裁判を起こしました。これに対し、Y組合は、旧組合は解散により消滅したのでX組合との間に同一性はない、仮に旧組合の解散が無効だとしても、旧組合はX組合とY組合に分裂したので、旧組合の財産は組合員の出資額の合計割合に応じてX組合とY組合に帰属すると主張したため、労働組合の規約中に解散決議の採決方法につき直接無記名投票にする旨の定めがある場合にそれ以外の採決方法によってされた解散決議の効力、及び組合の分裂という法理導入の可否が問題になりました。

これについて、裁判所は、前者については、労働組合の規約中に解散決議の採決方法につき直接無記名投票による旨の定めがある場合において、それ以外の採決方法によってされた組合解散決議は、あらかじめ決議に参加する者全員がその採決方法によることを同意していたと認められるときのほかは、客観的にみてその採決方法によらざるをえないと認めるに足りる特段の事情が存しないかぎり、無効である旨判断し、後者については、労働組合の内部対立によりその統一的な存続・活動が極めて高度かつ永続的に困難となり、その結果組合員の集団的離脱及びそれに続く新組合の結成という事態を生じた場合に、はじめて、組合の分裂という法理の導入の可否につき検討する余地を生ずる旨判断しました。

(最高裁判所昭和49年9月30日第一小法廷判決)

労働問題に関して、労働組合の分裂と財産帰属についての最高裁判所の判例を紹介させていただきました。

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