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共同不法行為における過失相殺と損害の一部填補が他の共同不法行為者に及ぼす影響

交通事故の判例 最高裁判所第三小法廷 平成11年1月29日判決 事案の概要 Y1が運転するY2所有の普通乗用自動車が第一車線から第二車線に進路変更しようとしたため、第二車線を進行していたA運転の普通乗用自動車(A車)はそれを避けようとして中央線を越えて対向車線に進入し、対向車線を走行してきた普通乗用自動車と正面衝突する交通事故を起こしました。 この事故で、A車に同乗していたBは死亡...

相続放棄の熟慮期間の起算点

相続放棄の判例 最高裁判所第二小法廷 昭和59年4月27日判決 事案の概要 Aは、BのXに対する準消費貸借契約の連帯保証人になっており、Xから連帯保証債務の履行を求める裁判を起こされましたが、裁判中に死亡しました。 Aの子らとAの間には親子間の交渉がなく、Aの子らは、Aには相続財産が全く存在しないと考えていたことから、Aの死亡及び自己が相続人となった事実を知ってから3か月以内に相続放棄...

養老保険契約における保険金請求権と相続

  最高裁判所第三小法廷 昭和40年2月2日判決 事案の概要 Aは生前、自身を被保険者、死亡保険金の受取人を「被保険者死亡の場合はその相続人」と指定して養老保険をかけていました。 Aは、自己の所有財産の全部をXに遺贈する旨の遺言を残していました。 Aには、配偶者、直系卑属、直系尊属はおらず、姉と弟がいました。 このような状況で、Aの死後、Xが養老保険の保険会社に対し、自身...

不法残留外国人労働者の逸失利益

労災の判例 最高裁判所第三小法廷 平成9年1月28日判決 事案の概要 在留期間を超えて日本に残留している外国人が就労中に労災事故に被災して後遺障害を残す傷害を負ったため、使用者である会社等に対して損害賠償を求めた事案 争点 一時的に我が国に滞在し将来出国が予定される外国人の逸失利益の算定方法 裁判所の判断の要旨 一時的に我が国に滞在し将来出国が予定される外国人の逸失利益を...

退職金債権の放棄の意思表示の効力

労働問題の判例 最高裁判所第二小法廷 昭和48年1月19日判決 事案の概要 労働者XがY社を辞める際、Y社から求められて「XはY社に対し、いかなる性質の請求権をも有しないことを確認する」旨の記載のある書面に署名してY社に差し入れたところ、Y社はXに対して退職金を支払わなかったため、XがY社に対して退職金の支払いを求める裁判を起こした事案 争点 賃金にあたる退職金債権放棄の効力 ...

元請の下請従業員に対する安全配慮義務

  最高裁判所第一小法廷 平成3年4月11日判決 事案の概要 下請従業員が業務が原因で聴力障害を生じたため、元請企業に対して安全配慮義務違反を理由とする損害賠償請求をした事案 争点 元請企業が下請け企業の従業員に対して安全配慮義務を負うか 裁判所の判断の要旨 下請企業の労働者が元請企業の作業場で労務の提供をするに当たり、元請企業の管理する設備工具等を用い、事実上...

【交通事故】【判例・裁判例】自賠法16条1項に基づく請求と自賠責支払基準の拘束力

  平成15年10月10日午後5時29分ころ、Aの運転する自動車(以下「本件車両」といいます。)が、道路を横断中のBに衝突する事故(以下「本件事故」といいます。)が発生し、Bは本件事故により死亡してしまいました。 Aは、Y社との間で、本件車両を被保険自動車とする自動車損害賠償責任保険契約を締結していました。 Bの相続人であるXは、Y社から、本件事故による損害賠償の支払として、合計1...

【労働問題】【判例・裁判例】労働者派遣と偽装請負

  Y社は、A(本件当時の商号はB)ほか1社の出資による会社であり、平成16年1月当時、その製造ラインでは、上記2社から出向してきたY社の従業員と、Y社から業務委託を受けたC社等に雇用されていた者とが作業に従事していました。 C社は、家庭用電気機械器具の製造業務の請負等を目的としており、同社が同14年4月1日以降にY社との間で締結していた業務委託基本契約によれば、Y社が生産1台につき...

【交通事故】【判例・裁判例】共同暴走行為における被害者側の過失

  AとBは中学校時代の先輩と後輩の関係であり、平成13年8月13日午後9時ころから、友人ら約20名と共に、自動二輪車3台、乗用車数台に分乗して、集合、離散しながら、空吹かし、蛇行運転、低速走行等の暴走行為を繰り返しました。Bは、ヘルメットを着用せずに、消音器を改造した自動二輪車にAと二人乗りし、交代で運転をしながら走行していました。 O県警察K警察署のCらは、付近の住民から暴走族が...

【交通事故】【判例・裁判例】自賠法72条1項によりてん補すべき損害額と労災保険法に基づく年金額の控除

  Xは、平成15年11月1日、通勤のために普通乗用自動車を運転中、信号を無視して進行してきた自動車に衝突され、同自動車は、そのまま走り去り行方不明となってしまいました。 Xは、同衝突事故により、頸椎骨折、頸髄損傷、脊髄損傷、外傷性くも膜下出血等の傷害を負い、平成16年12月1日、第7頸髄節残存・以下完全四肢麻痺、膀胱直腸障害、脊柱変形障害等の後遺障害を残して症状固定しました(当時6...