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【遺言】【判例・裁判例】民法1013条に違反してされた相続人の処分行為の効力

 
Aは、公正証書遺言により自己所有の不動産全部を、法定相続人のうちAと同居していた四女X1と五女X2に遺贈し、遺言執行者をBと指定していました。
Aの死後、Bが遺言執行者への就任を承諾する前に、Aの二男であり法定相続人であるCは、遺言が存在するにもかかわらず、Aの遺産である建物についてC名義で所有権保存登記をし、Aの遺産である土地についても、X1、X2の相続放棄申述書を無断で作成するなどして、相続を原因とする所有権移転登記をしました。その後、Cは、Yのために本件不動産に根抵当権を設定し、Yの申立により、本件不動産について、競売手続開始決定がなされました。
これに対し、X1、X2が遺贈による所有権取得を理由に、Cの根抵当権設定は無効であると主張して第三者異議の訴えを起こしたところ、遺言執行者がいる場合の受遺者であるX1、X2の原告適格の有無、民法1013条に違反してなされた相続人の処分行為の効力が問題になりました。

これについて、裁判所は、前者については、遺言者の所有に属する特定の不動産が遺贈された場合には、目的不動産の所有権は遺言者の死亡により遺言がその効力を生ずるのと同時に受遺者に移転するのであるから、受遺者は、遺言執行者がある場合でも、所有権に基づく妨害排除として、右不動産について相続人又は第三者のためにされた無効な登記の抹消登記手続を求めることができるとして受遺者の原告適格を認め、後者については、相続人が民法1013条の規定に違反して、遺贈の目的不動産を第三者に譲渡し又はこれに第三者のため抵当権を設定してその登記をしたとしても、相続人の右処分行為は無効であり、受遺者は、遺贈による目的不動産の所有権取得を登記なくして右処分行為の相手方たる第三者に対抗することができるものと解するのが相当であるとし、同条の「遺言執行者がある場合」とは、遺言執行者として指定された者が就職を承諾する前をも含むものと解するのが相当である旨判断しました。

(最高裁判所昭和62年4月23日第一小法廷判決)

遺言に関して、民法1013条に違反してされた相続人の処分行為の効力についての最高裁判所の判例をご紹介させていただきました。

なお、遺言については、仙台の法律事務所による遺言のご相談もご覧ください。