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【交通事故】【判例・裁判例】自動車販売会社の中古車の欠陥についての責任

 
X1は、自動車販売会社Yから、中古ダンプカーを庭石運搬用トラックに改造した本件自動車を購入しました。なお、本件自動車は、Yが下取りした中古ダンプカーを整備業者Aに車検整備を依頼するとともに自社で架装を行い、Aを通じて車検を受けたものでしたが、下取り前にすでにテンションアームとブレーキホースの接触でオイル漏れがあったため、当時の所有者が針金でブレーキホースの位置を下回りに改造し、その旨をY及びAにも告知していました。ところが、Y及びAは、本件自動車車検整備に際し、ブレーキホースの取り付け位置を漫然と上回りに変えたため、荷重等によりテンションアームとブレーキホースは容易に接触し、ブレーキホースの損傷からブレーキ制御不能となるおそれのある欠陥車でした。
X1は、妻X2を助手席に、子B他2名を荷台に同乗させて庭石を運搬中、ブレーキの故障を生じ、道路左側でエンストした自動車を押していたC、X4、Dに追突して自車を道路外に横転させるという交通事故を起こし、B、C、Dを死亡させ、X4を負傷させてしまいました。
そのため、X1、X2がBの相続人として、Yに対しては債務不履行及び不法行為に基づき、国に対しては本件事故の8日前に陸運事務所の自動車検査官が本件自動車の検査を完了しており、本件自動車の欠陥を看過した過失があるとして国家賠償法1条に基づき、損害賠償請求の裁判を起こし、Cの親X3、Dの親X4、X5もY及び国に対する損害賠償請求の裁判等を起こしたところ、自動車販売会社の責任及び国の責任の有無が問題になりました。

これについて、裁判所は、Yの責任については、一般に、自動車の販売、修理等の業務に従事する者は、直接の契約当事者である顧客に対し欠陥のない自動車を供給すべき契約上の義務を負うことはいうまでもないが、直接の契約当事者でなくとも、その家族、被用者等当該自動車を利用することが予想される者、さらには道路交通において当該自動車とかかわりを持つに至るであろう他の車両の乗員あるいは道路歩行者との関係においても、安全性につき社会的に期待される水準の品質を備えたものとしてこれを供給し、もって当該自動車の構造上の欠陥に起因して右の者らの身体、生命、財産に被害が生ずることを回避すべき不法行為法上の義務を負うものといわなければならない旨判断してYの責任を認め、国の責任については、道路運送車両法に基づく自動車の検査は国の公権力の行使であり、自動車検査官がその職務を行うについて故意または過失によって違法に他人に損害を加えたときは、国はその賠償の責に任じなければならないが、本件については、本件自動車の検査を担当した自動車検査官の故意過失が認められないから、国は国家賠償法1条に基づく賠償責任を負わない旨判断しました。

(名古屋高等裁判所金沢支部昭和56年1月28日判決)

交通事故に関して、自動車販売会社の中古車の欠陥についての責任についての名古屋高等裁判所の裁判例を紹介させていただきました。

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