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【交通事故】【判例・裁判例】泥棒運転の場合の所有者の運行供用者責任

 
タクシー会社Y社は、自社の敷地内の車庫に、ドアに鍵をかけず、エンジンキーを差し込んだままの自動車を駐車させていたところ、Aが同自動車を盗み出し、勝手にタクシーの営業をして交通事故(自損事故)を起こし、客として乗っていたXに傷害を負わせました。そのため、Xは、Y社に対して、第1次的には自動車損害賠償保障法3条の運行供用者責任に基づいて、第2次的には不法行為責任に基づいて損害賠償請求訴訟を起こしたところ、Y社の運行供用者責任の有無、Y社がタクシーに鍵を差し込んだまま駐車させていたこととXが交通事故で怪我をしたことの間の因果関係の有無が問題になりました。

第1の点ついて、裁判所は、タクシー会社からその所有の自動車を盗んだ者が事故を起こした場合において、タクシー会社が、自動車のドアに鍵をかけず、エンジンキーを差し込んだまま、これを自己の駐車場の道路に近い入口付近に長時間駐車させていた事情があっても、盗んだ者が、同社と雇傭関係等の人的関係を有せず、タクシー営業をしたうえで乗り捨てようとの意図のもとに右自動車を盗んだものであり、盗んだ後約2時間タクシー営業をしたのちに事故を起こした等の事実関係があるときは、タクシー会社は、自動車損害賠償保障法3条による運行供用者としての責任を負わないものと解すべきである旨判示しました。
また、第2の点については、自動車の所有者が、ドアに鍵をかけず、エンジンキーを差し込んだまま駐車場に自動車を駐車させても、駐車場が客観的に第三者の自由な立入を禁止する構造、管理状況にあると認めうるときには、自動車にエンジンキーを差し込んだまま駐車したことと自動車を盗んだ者が起こした交通事故による損害との間には、相当因果関係があると認めることはできない旨判断しました。

(最高裁判所昭和48年12月20日第一小法廷判決)

交通事故に関して、泥棒運転の場合の所有者の運行供用者責任についての最高裁判所の判例を紹介させていただきました。

なお、交通事故については、仙台の弁護士による交通事故のご相談もご覧ください。