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【交通事故】【判例・裁判例】交通事故と医療過誤の競合

 
Xらの子Aは、交差点でB運転のタクシーと衝突する交通事故で頭部等に傷害を負い、救急車でY病院に搬送されてC医師の診察を受けました。C医師は、頭部レントゲン撮影などの診察により、頭蓋骨骨折はないとの判断の下に、左頭部打撲挫傷、顔面打撲の診断と治療をし、付き添っていた母親に「何か変わったことがあったら来て下さい。」等の一般的な注意を与えて帰宅させました。
帰宅後、Aは、夕食も食べずに眠り、いびき、よだれ等がありましたが、Xらは重大なこととは考えず、その後、Aが痙攣のような症状を示し、いびきもかかなくなって初めてXらはAが重篤な状況にあるものと疑い、救急車を呼びました。Aは、病院に運ばれましたが、頭蓋骨骨折を伴う左側頭部打撲による左中硬膜動脈損傷を原因とする急性硬膜外血腫により死亡してしまいました。
そのため、Xらが、Y病院に対して損害賠償請求の裁判を起こしたところ、Y病院の責任の有無や寄与の割合が問題になりました。

これについて、裁判所は、交通事故の態様とAの受傷状況、Y病院における診断診療状況、Aが死亡するに至った経過等について認定したうえ、C医師の診断治療行為には、Y病院に留めて経過観察をせずに帰宅を許可したことの過失と、看護者に対して、Aの症状等を説明し、経過観察として注意すべき具体的症状についての説明を懈怠した過失があったと判断し、Y病院の不法行為責任を認めましたが、Aの死亡は、交通事故と医療事故との競合により発生したものであるが、本件のように、個々の不法行為が当該事故の全体の一部を時間的前後関係において構成し、その行為類型が異なり、行為の本質や過失構造が異なり、かつ、共同不法行為とされる各不法行為につき、その一方又は双方に被害者側の過失相殺事由が存する場合は、各不法行為者の各不法行為の損害発生に対する寄与度の分別を主張、立証することができ、個別的に過失相殺の主張をできるものと解すべきとしたうえ、Y病院の寄与度を5割と推認するのが相当である旨判断しました。

(東京高等裁判所平成10年4月28日判決)

交通事故に関して、交通事故と医療過誤の競合についての東京高等裁判所の裁判例を紹介させていただきました。

なお、交通事故については、仙台の法律事務所による交通事故のご相談もご覧ください。